カラメル色素とタール色素が原材料名に書かれた食品は避けよう

最終更新日:2017年10月18日

食べ物や飲み物は温かさ・冷たさなどの温度と匂いに加え、見た目の色合いによっても食欲が大きく左右されるものです。

その一方でいかにもおいしそうな色をしている食品には、体に悪い着色料が使われている可能性もあります。

1.着色料の種類と危険性

スーパーやコンビニなどの店頭で売られている食品の多くは、食欲をそそられるような色をしています。

そのような食品の多くは見栄えを良くする目的や製造コストを下げる目的で、着色料と呼ばれる添加物が使われているものです。

食品に使われる着色料は、合成着色料と天然着色料の2つに大きく分けられます。

このうち砂糖やブドウ糖・でんぷんなどを加熱して作るカラメル色素は、茶色系の食品に使われている天然着色料です。

カラメル色素には製法の違いによってⅠからⅣまでの4種類があって、そのうちカラメルⅢとカラメルⅣは発がん性などの毒性を持つ可能性があります。

合成着色料はタール色素が代表格で赤や黄色・橙色にそれぞれ多くの種類があり、その中には遺伝毒性や発がん性を持つ種類も含まれます。

2.カラメル色素の製法と有害性

カラメル色素はすべての着色料に占める割合が80%以上に達すると言われているほど、最も多く使用されている色素です。

カラメル色素は糖類を焦がすことで茶色が得られるため、特に飲料やしょうゆ・ソースなどの調味料に多く採用されています。

4種類あるカラメル色素のうち、カラメルIは砂糖などの糖類だけを使って作られる純粋な天然色素です。

これに亜硫酸化合物を加えて加熱するカラメルⅡは、有害性が認められたため日本での使用が禁止されています。

糖類にアンモニウム化合物を加えたカラメルⅢや、アンモニウム化合物と亜硫酸化合物の両方を加えたカラメルⅣは日本で使用が認められたカラメル色素です。

大手コーラ飲料のメーカーが特許を持っていることでも知られるこのカラメルⅢとⅣは、アンモニウム化合物が加熱されて変化した4-メチルイミダゾールという物質が含まれます。

4-メチルイミダゾールは発がん性を持つと言われている要注意の物質です。

3.発がん性を持つ種類のカラメル色素

カラメル色素にも安全なIと有害なⅢ及びⅣに分けられますが、食品の原材料名には単に「カラメル色素」としか表示されていないのが普通です。

安全性の高いカラメルIは製造コストが高いのに比べ、カラメルⅢとカラメルⅣは製造コストが安いことから、大半のメーカーは後者を採用しているものと推定されます。

どの種類のカラメル色素が使われているかわからない商品は購入を控えるのが無難です。

プリンなどの原材料名に「カラメル」と表記されている場合はこのようなカラメル色素とは別ですので、安全性に問題はありません。

原材料名に「カラメル色素」と書かれている食品には、健康に悪影響を与える可能性を持つカラメルⅢかカラメルⅣのカラメル色素が使われている可能性が高いことを覚えておくといいでしょう。

4.タール色素にも要注意

リスクのある着色料はカラメル色素だけでなく、「赤2」「赤3」「赤色106号」「黄4」などと記載されるタール色素も含まれます。

タール色素はかつてコールタールから得られる化合物を原料として作られていたためこの名がありますが、現在では石油を蒸留分離して得られる粗製ガソリンのナフサから作られるようになりました。

したがってタール色素は天然由来の色素ではなく、完全に化学合成された色素です。

日本では通常使用量による発がん性試験などを経て毒性がないことが確認されたため、多くのタール色素が着色料として食品に使用可能となっています。

しかしながらこれらのタール色素には蕁麻疹を起こす種類が含まれているだけでなく、赤色106号は発がん性を持つとして外国では使用が禁止されています。

赤色40号や赤色102号・黄色4号など6種類は、注意欠陥・多動性障害の原因となる可能性があるという理由で英国では自主規制の対象物質です。

5.その他の着色料の安全性

カラメル色素以外の天然色素にも一部注意すべき物質が見られます。

カルミン酸色素とも呼ばれるコチニール色素は、染料としても使われる昆虫由来の色素です。

中性脂肪やコレステロール値を上昇させる点やアレルギー反応を起こしたケースが報告されている点で、あまり健康的とは言えない着色料の1つです。

ウコン色素やクチナシ色素・紅麹色素は動物実験による大量投与では有害性も認められましたが、食品に使われる場合はよほど大量に摂取しない限り健康に悪影響を与える心配はないと言えます。

カロテン色素・パプリカ色素・ブドウ色素・アナトー色素は植物由来の天然色素で、いずれも安全性に問題はありません。

健康食品の材料にも使われるフラボノイドやアントシアニンは同様に植物から抽出された天然色素ですので、健康被害を与える可能性は低いと考えられます。

まずはシンプルな見分け方を知り、健康リスクを減らそう

以上のように食品で使われる着色料にも非常に多くの種類があるため、体に悪い色素と安全な色素を見分けるのも容易ではありません。

シニア世代の人は原材料名表示の細かい文字を店頭で確認するのも大変です。

少なくともカラメル色素とタール色素が原材料名に書かれた食品を避けることで、健康への悪影響を受けずに済みます。