玄米は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で血糖値が上がりにくい

最終更新日:2017年11月1日

日本人が主食としている米は精製された白米を食べるのが一般的ですが、糠を除去する際には栄養素の多くが失われてしまいます。

最近では玄米が健康食として見直されており、おいしく炊く技術も研究されてきました。

1.糠の部分に米の栄養素が凝縮

米は収穫された後に玄米の状態で乾燥して保存されますが、一般消費者の手に渡る前には精米業者で精白された後に白米として売られるのが普通です。

玄米を精白すると果皮と種皮・胚芽からなる糠の部分が取り除かれ、胚乳の部分だけが残されます。

米の胚乳は大半が炭水化物のでんぷんから成っており、米にもともと含まれていた炭水化物以外の栄養素は糠に集中しているため精白の過程で失われてしまいます。

ご飯を食べる目的はエネルギー源の摂取と見なされていることから、その他の栄養素はご飯のおかずから摂取すればいいと考えられがちです。

しかしながら食生活の偏りが原因で、ビタミン・ミネラルや食物繊維が不足している人も少なくありません。

それらの成分は野菜類や肉・魚だけでなく、玄米から取り除かれる糠の部分にも多く含まれています。

食生活が偏っている人は主食の米を白米から玄米に替えるだけで、不足していた栄養素や食物繊維の多くが補えるのです。

2.食物繊維が豊富で血糖値が上がりにくい

白米を主食とする人が直面する問題の1つに、食後の血糖値が上がりやすいという点が挙げられます。

白米は大半がブドウ糖の結合したでんぷんから構成されていて消化しやすいため、食後は短時間でブドウ糖に分解されます。

分解されたブドウ糖は血液中に入って全身を循環することになるので、血糖値が急上昇してしまいます。

日頃から血糖値が高く糖尿病またはその予備軍と診断されている人は、このような血糖値の上昇を抑えて上手にコントロールしなければなりません。

その点で食物繊維が豊富に残されている玄米は食後の消化と分解も緩やかなため、血糖値もゆっくりと上昇します。

血糖値の上昇スピードを示すGI値は白米の81に対して、玄米は55に過ぎません。

玄米に多く含まれる食物繊維は腸の中で水分を吸収して蠕動運動を促すため、便通を良くなって便秘を予防する効果も得られます。

高血糖や便秘に悩んでいる人は、玄米食に切り替えることで改善される可能性があります。

3.ビタミンやミネラルも豊富

米の胚乳を包んでいる糠の部分には食物繊維ばかりでなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。

特にビタミンB1は白米1食分にわずか0.03mgしか残されていないのと比べ、玄米には10倍近い0.26mgも含まれます。

ビタミンB1は細胞がブドウ糖を取り込んでエネルギーに変換するのを助ける働きをしており、不足すると疲れやすくなる物質です。

エネルギー源となる炭水化物とエネルギー代謝を促進させるビタミンB1を同時に摂取できる玄米は、若い頃より体力が低下して何かと疲れやすくなっているシニア世代の人に最適な主食と言えます。

この他にも玄米には細胞を有害な活性酸素から守ってくれる抗酸化物質のビタミンEや、カリウム・マグネシウム・リン・鉄といったミネラルも豊富です。

それらの栄養素を野菜から摂取しようとすれば相当な量を食べなければなりませんが、主食を白米から玄米に切り替えるだけで1日に必要な量の相当割合がカバーできます。

4.フィチン酸やフェラル酸の効能

食物繊維やビタミン・ミネラルは野菜や果物からでも摂取できますが、玄米などの精白されていない穀物には他の食品にない特有の成分も多く含まれています。

特にビタミンB群の一種イノシトールとリン酸が結合したフィチン酸は、強い抗酸化作用で細胞の老化やがんの発生と増殖を抑える効果を持つ物質です。

フィチン酸には血栓を予防する効果や貧血・尿路結石を予防する効果もあると言われており、医療分野への応用が研究されています。

健康食品の中には米糠から抽出したフェルラ酸をサプリメントとして配合し、認知症予防に役立つとしている製品も存在します。

このフェルラ酸も細胞の老化を招く活性酸素の除去作用があると考えられており、アルツハイマー型認知症の原因となるタウタンパク質の蓄積を防ぐ効能も期待できるとされているのです。

それらの効能に関する研究は発展途上の面もありますが、玄米にそうした潜在的なパワーが秘められている点は注目に値します。

5.玄米をおいしく炊く方法

以上のようにさまざまな効能を持つ玄米は健康への意識が高いシニアの間でも人気が高まっていますが、おいしく食べるには工夫も必要です。

以前は普通の炊飯器で玄米を炊くとボソボソとした食感になるため、玄米には白米と比べてまずいという印象がありました。

白米を食べる人が圧倒的に多いのは、玄米よりもおいしく食べられて消化も良いという理由によります。

玄米を食べる人が増えているのは、圧力釜で玄米を炊くと白米のような食感が得られる事実が判明したことも一因です。

家電メーカーから発売されている炊飯器の中にも玄米炊きに対応した製品が多く登場していますので、そうした炊飯器を使っている人は一度玄米を試してみるといいでしょう。

玄米は白米より食物繊維を多く含むため消化しにくい面もありましたが、圧力釜で炊けば少しでも消化しやすくなります。

ただし胃腸が弱く下痢や消化不良を起こしやすい人は、消化の良い白米を主食とするのが無難です。

白米とは大きな違いがある「玄米」

毎日何気なく食べている主食の米も、白米と玄米の違いで摂取される栄養素や食物繊維にはこれだけ大きな差があります。

かつては米糠も糠漬けや肥料などの形で有効活用されていましたが、最近は捨てられる例が少なくありません。

栄養を豊富に含んだ糠を一緒に食べる玄米食に切り替えることで、寿命を伸ばす効果も期待できるものです。