チェスというとその装飾的デザインからインテリアとして扱われることもあり日本でも有名ですが、そのルールまで知っている方は少ないと思います。
そこで、この記事ではチェスが持つ世界的ボードゲームとしての魅力をご紹介します。
1.チェスの基本ルール
チェスは2人用のボードゲームで、それぞれ6種類16個の駒と8×8のマス目が描かれたチェス盤を使います。
6種類の駒は、動ける範囲が変わるポーン、他の駒を飛び越えて動けるナイト、X字方向に動けるビショップ、十字方向に動けるルーク、最も広範囲を動けるクイーン、そして要であるキングとなっています。
さらに、16個の駒のうちキング・クイーンは1個ずつ、ナイト・ビショップ・ルークは2個ずつしかなく、残りの8個はすべてポーンとなります。
そして、2人がそれぞれ駒を交互に動かし続けたのち、次の自分の番で確実に相手のキングを取れるように駒を動かしたとき、「チェックメイト」となって自分の勝利となります。
2.ポーンの特徴
6種類ある駒の中でも極めて独特なのがポーンです。
比較的価値の低い駒であり、基本的には前方1マス先にしか進めません。
しかし、開始時の位置からなら前方2マス先まで動けたり、左前方または右前方のマスに相手の駒があるときにはその方向に動いてその駒を取れたりできます。
さらに、ポーンには「プロモーション」という勝敗を決するほどの最大の特徴もあります。
「プロモーション」は相手側のチェス盤の端に辿り着いたときに使え、そのポーンをキング以外の4種類の駒のどれかに変えられます。
つまり本来クイーンを1個しか持てないところを2個、3個と操ることもできます。
3.ゲームの流れ
ゲームの流れは、陣形を整える序盤、相手の駒を減らす中盤、相手のキングを追い込む終盤の3段階に分けられます。
序盤でしたいのが「キャスリング」です。
「キャスリング」は一度も動かしていないキングとキングとの間に他の駒がないルークに対して使える方法です。
そのルーク側へキングを2マス先に、ルーク自体もキングと隣接する奥側のマスに置けます。
そのルークが周りのポーンとキングを囲む城壁のようになるため、守りを固める重要な手段となっています。
他にも多種多様な序盤の定跡があるので、駒の動きに慣れたら好きな定跡を探してみてください。
また、終盤で考えたいのが「ステールメイト」です。
動かせる自分の駒がキング以外になくてキング自体も動かせば「チェックメイト」されてしまうとき、「ステールメイト」となり引き分けとなります。
自分が劣勢なら負けを逃れられる一方、自分が優勢なら相手にさせてはならないので注意が必要です。
4.オシャレで多様なチェスセット
チェスを始めるにはもちろん一揃いの駒とチェス盤が必要となります。
紙などで自作してもよいとは思いますが、オシャレなデザインの駒とチェス盤で対局するのもチェスの楽しみのひとつです。
例えば、木製なら、その加工のしやすさより典型から外れた芸術的なデザインのものが多く、一風変わったチェスセットに出会えるかもしれません。
また、ガラス製なら、その見た目の美しさと滑らかな感触により、非日常の雰囲気を味わいながら対局できるかもしれません。
とはいえ、やはり一番目に手にするのであれば、何より安価で扱いやすいプラスチック製をオススメします。
5.国際交流を楽しめるオンラインチェス
実際にチェスセットを購入せずに、インターネットを介して他の人と対局できるオンラインチェスで試してみるという方法もあります。
場所や時間に縛られず対局でき、対局相手にメッセージを送れるチャット機能がついているものが多いです。
海外のサイトであれば外国の方々と対局しながら国際交流を楽しむこともできます。
もちろん、実際にメッセージをやり取りするにはある程度の語学力が必要なので、得意な外国語がなければ難しいと思います。
ただ、日本のオンラインチェスでも国内の遠い地域の方と気軽に対局できるので、交友関係を広げられてオススメです。
6.オンラインチェスでの個人情報トラブル
交友関係を広げられるなど利点の多いオンラインチェスですが、危険がないわけではありません。
特に注意したいのは個人情報です。
不特定多数の人たちと交流できるという点では、ツイッターなどのSNSと同じく、個人情報の取り扱いを誤るとトラブルになる危険があります。
例えば、それほど会ったことのない対局相手に本名や電話番号、住所などを伝えることは避けるべきです。
また、逆に性別や年齢を偽ることも避けるべきです。
仲良くなった対局相手から直接会いませんかと誘われたときに、難しい対応を迫られることになります。
インテリアではなく、趣味のひとつとしてチェスを始めてみよう
チェスはヨーロッパを中心として、多くの国で親しまれているボードゲームです。
ところが、日本ではあまり浸透しておらず、ドラマの中やお店などで意味もなく飾られることがほとんどではないでしょうか。
確かに難しいところもあり慣れるまでには時間が必要となるかもしれません。
それでも、インテリアではなくて世界への扉を開けられるボードゲームとしてチェスをお楽しみください。