のりはビタミンやたんぱく質・ミネラルや食物繊維が豊富!

最終更新日:2017年11月20日

周囲を海に囲まれた日本では古くから海産物を食生活に取り入れてきましたが、のりに代表される海藻も日本食に欠かせません。

日本人に親しまれてきたのりは、ビタミンやミネラル・たんぱく質など栄養も豊富な食材です。

1.日本人だけが持つ消化酵素

のりの佃煮の材料になるアマノリや青のり、刺身のつまとして使われるフノリなど、のりにもいろいろな種類があります。

中でも日本人の食生活で最もなじみが深いのはのりを紙状にして乾燥させた板のりです。

焼きのりや味付けのりなどいろいろな形に加工された板のりが店頭で売られており、朝食のおかずやおにぎり・のり巻きの材料などに使われています。

のりは消化しにくい食べ物のため食用としている国は世界でも決して多くありませんが、のりに含まれる多糖類は日本人にしか消化できないとも言われています。

日本人は古くからのりを食べてきた結果、この多糖体の消化酵素を持つバクテリアを腸内細菌として取り込むに至ったと考えられます。

2.ビタミンやたんぱく質が豊富

日本人が大好きなのりは、ビタミンやミネラル・たんぱく質など豊富な栄養素が含まれる優れた食材でもあります。

特にビタミンCはのり100g当たり280mgも含まれていますが、これは一般的な野菜や果物を上回る数字です。

野菜や果物には水分が多いことを考慮しても、少量で多くのビタミンCが摂取できる点でのりは効率的なビタミン源と言えます。

のりにはビタミンCの他にも体内でビタミンAとして働くβカロテンが多く含まれており、ビタミンB1やビタミンB2・ビタミンK・葉酸なども豊富です。

それらは野菜類をあまり食べない人にとって不足しがちな成分ですので、のりを食生活に取り入れることで不足分をカバーできる可能性があります。

のり100gのうち40%以上はたんぱく質から構成されているため、肉や魚・牛乳が好きでないという人にとっては貴重なたんぱく源にもなります。

3.ミネラルや食物繊維の効果

のりにはビタミンやたんぱく質だけでなく、ミネラル分が豊富に含まれている点でも特筆されます。

のりから摂取できるミネラルとしてはカルシウムやカリウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛などが挙げられ、いずれも健康を維持するのに欠かせない成分です。

のりに含まれるミネラル分の中ではカリウムが100g当たり2400mgと突出して多いですが、280mgに達するカルシウムも見逃せません。

カルシウムは骨の材料として使われる他、神経の興奮を抑えて穏やかにする作用や血液をアルカリ性に保つ働きをしています。

のりは3分の1ほどが食物繊維から構成されているため、便秘の改善や腸内環境を整える役割も果たしてくれます。

この食物繊維は水溶性で水に溶けるとぬめりを生じ、腸に優しいのが特徴です。

食物繊維は腸内細菌のエサとなるだけでなく、同時に摂取される糖質の消化吸収を抑えて血糖値上昇を緩やかにしてくれることが知られています。

4.ヨウ素を多く含むため過剰摂取は禁物

この他にものりに含まれるタウリンという物質は、肝臓機能を高めて細胞膜を安定させる作用を持ちます。

血液をさらさらにする成分として知られるEPAは青魚に豊富ですが、のりは植物でありながら100g当たり1200mgのEPAが含まれます。

タウリンやEPAは健康食品にも使われる成分だけに、のりを多く食べればそれだけ健康効果が高まるように思われがちです。

ただし他の食材や健康食品と同様に、のりも食べすぎるとかえって健康にマイナスの影響を受けかねません。

のりにはヨウ素も多く含まれており、この成分を過剰に摂取すると甲状腺機能低下症を起こす可能性も指摘されています。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる物質ですが、過剰摂取すると甲状腺に蓄積されて甲状腺ホルモン分泌が逆に低下すると考えられるのです。

5.好みの形で食生活に活用を

ヨウ素の過剰摂取が問題となるのはのりをよほど大量に食べた場合の話で、常識的な量を毎日食べる分には問題ありません。

むしろ適量ののりを毎日食べ続けることで豊富な栄養素が摂取され、さまざまな健康効果を得ることができます。

のりを食生活に取り入れる方法にもいろいろな工夫が考案されていますので、書籍や料理番組・インターネットのレシピサイトなどの情報を参考にしてみるといいでしょう。

スーパーなどの店頭で売られている板のりの多くは焼きのりや味付けのりの形に加工されており、特に焼きのりは縦21センチ横19センチの全型サイズが基本形となります。

味付けのりは全型を8つ切りにしたサイズのおかずのりとして販売されるのが一般的です。

この他にものりの佃煮や青のりのふりかけなどもありますので、好みに合わせて食生活に取り入れることで無理なく豊富な栄養分が摂取できます。

朝食にはのりをメニューに取り入れよう

大豆食品や発酵食品など日本食の健康効果は世界でも注目されていますが、のりも和食文化の重要な構成要素の1つです。

朝食にのりを食べる例が多いのも、体調を整える栄養素が豊富に含まれているという合理的な理由によります。

朝食のおかずにのりを1品付け加えるだけでも、不足しがちな栄養素を補うことができます。