チーズに含まれるカルシウムと乳酸菌、ビタミンAやビタミンB群はシニアを蘇らせる!

最終更新日:2017年11月23日

乳製品の中でも濃厚な味わいを持つチーズは、おやつやワインのおつまみとしてシニアの間でも人気が高まっています。

牛乳を原料として作られるチーズには豊富な栄養素が含まれており、健康にも役立つ優れた食品です。

1.ナチュラルチーズとプロセスチーズ

日本で購入できる一般的なチーズは、牛乳から分離された成分を発酵して作られています。

チーズには大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があり、プロセスチーズはナチュラルチーズを溶かした上で加熱殺菌して作られます。

サンドイッチなどに使われるスライスチーズもプロセスチーズの中で人気商品の1つです。

第2次世界大戦後に日本で広く普及したのはプロセスチーズの方ですが、近年ではスーパーなどの売場でもナチュラルチーズが多く売られるようになりました。

ナチュラルチーズの種類は非常に多く、モッツァレッラは熟成させないフレッシュチーズに当たります。

白カビで熟成させたカマンベールチーズや青カビで熟成させたブルーチーズ、ハードタイプのゴーダチーズ・チェダーチーズなども代表的なナチュラルチーズです。

ピザにはモッツァレラチーズやゴーダチーズが使われ、パルメザンチーズは粉チーズとしてパスタ類によく利用されます。

2.チーズに含まれる栄養素

チーズはおやつやおつまみなど嗜好品として利用される他、ピザやグラタン・パスタなどさまざまな料理の材料としても使われています。

料理が苦手な人でもプロセスチーズやスモークチーズなどはおやつに最適で、カマンベールチーズやブルーチーズはワインによく合うものです。

多種多様な楽しみ方が考えられるチーズは、栄養が豊富な点でも注目されます。

一般的なチーズではおよそ4割が水分で30%近くを脂肪が占めており、糖質はわずか3%程度に過ぎないため血糖値が高めの人でも安心して食べられます。

チーズの20%近くを占めるたんぱく質は熟成の過程で吸収しやすいアミノ酸の形に分解されており、必須アミノ酸がすべて含まれる点でも良質なたんぱく源です。

この他にもチーズにはビタミンAやビタミンB群が豊富に含まれ、カルシウムや亜鉛・リンなどのミネラルも多く摂取できます。

3.カルシウムと乳酸菌に注目

チーズの原料となる牛乳にはもともとカルシウムが豊富に含まれていますが、チーズは牛乳の栄養素が凝縮されているためカルシウムも効率よく摂取できます。

100g中に含まれるカルシウムの量は硬質なチーズほど多く、粉チーズの材料として知られるパルメザンチーズのカルシウム量はおよそ1300mgです。

一般的なプロセスチーズでも100g当たり630mgのカルシウムが含まれており、それらのカルシウムは小魚などと比べて吸収率が2倍にも達します。

カルシウムは骨を丈夫にするだけでなく神経伝達を安定させる働きもしており、不足すると骨折リスクが高まって集中力の欠如や情緒不安定の原因にもなります。

チーズを熟成させる際には多くの製法で乳酸菌が使われていますが、製造の過程で加熱されないナチュラルチーズには乳酸菌が生きたまま封じ込められている点も見逃せません。

乳酸菌は腸内環境を整えて善玉菌を増やす働きをしてくれるため、便秘解消や免疫力アップに役立ちます。

4.ビタミンAやビタミンB群にも効果

ビタミンが豊富に含まれる食品と言えば野菜を連想しがちですが、チーズは動物性食品でありながらビタミンも多く含まれています。

チーズにビタミンCはないもののビタミンAが含まれ、ビタミンB1・B2・B12といったビタミンB群が豊富です。

ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にして視力の維持に役立ち、IgA抗体を作って感染症を防ぐ働きをしています。

ビタミンAが不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなりますので、緑黄色野菜が不足しがちな人はチーズで補うことが風邪の予防にもつながるのです。

チアミンとも呼ばれるビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換するのに必須の物質で、ビタミンB2は脂肪のエネルギー代謝に関わります。

いずれも不足すると疲れやすくなるため、チーズは疲労回復にも効果的です。

ビタミンB2は皮膚や粘膜などの細胞再生を促す働きをしており、不足すると口内炎や肌の老化の原因となります。

5.栄養のあるおやつとして最適

チーズに限らずどの食品にも言えることですが、栄養豊富だからと言って食べ過ぎれば健康に逆効果となる場合があります。

チーズは塩分の多い食品でもありますので、血圧が高めの人は過剰摂取しないように注意が必要です。

脂肪分の多いチーズを食べ過ぎると消化器官に負担がかかり、下痢を起こしやすくなる可能性も指摘されています。

チーズに含まれるチアミンは赤ワインとともに偏頭痛を誘発する物質の1つに挙げられますので、発作を起こしやすい人は摂取を控えた方がいいでしょう。

プロセスチーズには乳化剤としてリン酸塩が使われている例が多く、この物質を過剰摂取するとカルシウムの吸収が阻害されるという報告もあります。

チーズの持つ豊富な栄養素を効率よく摂取するには、生乳と食塩だけで作られた製品を選ぶのが理想的です。

チーズ特有の風味という点でもナチュラルチーズの方が優れており、おやつやおつまみとして食べるのに最適です。

好みや目的に合わせてチーズを食べよう

チーズにもそれぞれ特色を持った数多くの種類の製品があって、好みや目的に合わせて選ぶことができます。

おやつとしてそのまま食べるだけでなく、ピザやグラタン・チーズフォンデュなどの料理に挑戦してみるのもいいでしょう。

味を楽しみながら豊富な栄養素も摂取できるチーズは、シニアの食生活を豊かにしてくれる食材です。