たまねぎは中高年世代の病気を予防してくれる、頼もしい野菜

最終更新日:2017年10月23日

現在、玉ねぎは様々な料理に利用されています。

高級料理のベースにされているほか、田舎の郷土料理や、家庭の味として、幅広い料理に対応できる上に、値段の変動もそこまで大きくないところが好まれています。

そんな万能野菜の玉ねぎの「特徴」、「選び方」に加え、玉ねぎがもたらす体への効能が、「中高年世代に起こりうる病気の予防」に繋がることをお伝えしていきます。

1.玉ねぎの特徴

玉ねぎはユリ科の野菜で、国内収穫量は第3位です。

季節を問わず、安定的に収穫が可能なところも嬉しいポイントで、1年を通して美味しい玉ねぎ料理を楽しめます。

「日本だし」といえば「かつお」や「昆布」を連想しますが、西洋料理では「玉ねぎ」をだしとして利用しているところが多く、「西洋のかつおぶし」とも言われています。

1年中出回っている、とはいえど、品種や収穫時期によってそれぞれの玉ねぎの「旬」は異なります。

その中でも辛味成分が少なめで、柔らかい歯ごたえの「新玉ねぎ」は3~4月頃に出荷され、「一番の旬」とされています。

主な産地は、佐賀、兵庫、愛知、香川などです。

住んでいる地域に近い産地のものがスーパーに並ぶ確率が高いでしょう。

旅行に行った際などにその土地の野菜を売っている「道の駅」や「ご当地の野菜市」で購入して、馴染みの少ない土地の玉ねぎで料理を作ってみても楽しいです。

2.玉ねぎの選び方

ごろっとした玉ねぎは、5個入りぐらいでネットに入っていることが多く、スーパーでは少しでもよいものを選びたいものです。

同じ値段を出すのですから、選び方のポイントを確認して「美味しい玉ねぎ」を選びましょう。

まず最初に意識してもらいたいのは、玉ねぎは「頭の柔らかい部分から傷む」という点です。

選ぶ際に店頭で並んでいるものであっても、少し傷みのみられるものも存在します。

セット売りならば、大家族でもない限りは一気に使いきることは少ないので、なるべく傷みがないものを選びましょう。

押して柔らかいものは、中が腐っていたり、傷がある可能性が高いです。

実際に少し押してみて、傷みをチェックしておくと、家に少し置いていても、玉ねぎの劣化で捨ててしまう可能性も減ります。

それに加えて、外皮がよく、乾燥してツヤがあり、硬くしまって重みがあるものを選べば、いうことナシです。

3.玉ねぎは中高年に起きる病気の予防に効果的

中高年が気をつけるべき病気、というのをご存知でしょうか?若い頃と比較して、体力や免疫力の衰えを感じている方も多いはずです。

アルコールや糖質の過剰摂取が長年の習慣になってしまい、血圧が上がったり、病気になってしまう可能性も高まります。

中高年に起きる病気の予防には「玉ねぎ」が効果的です。

「具体的な病状」とそれに応じた「効果」についてお伝えしていきます。

まずは、「脳卒中、心筋梗塞」。

これは「脳」と「心臓」に関係する点からかなり深刻な症状です。

発覚後に亡くなってしまったり、長い入院生活を余儀なくされる場合もあるでしょう。

それに加え、「血液の質」が引き起こす、「動脈硬化」のような合併症に悩む割合もぐんと高まります。

そんな症状を未然に防いでくれるのが、玉ねぎの刺激成分、「硫化アリル」です。

玉ねぎ=血液サラサラ、なんて言われていますが、本当にそれは大切で、硫化アリルが動脈硬化や脳卒中の原因である「血栓」をできにくくしてくれます。

それに加えて、玉ねぎを食べ続けると、毛細血管を丈夫にしてくれるので、高血圧や糖尿病も防いでくれます。

お次は、「情緒障害」です。

ミッドクライシス、というのをご存知でしょうか?ミッドクライシスは中高年が抱える、「軽いうつ」、「軽いイライラ」、「軽い焦り」などのメンタルトラブルの総称です。

中高年世代は「今の自分」への「疑問」と「不安」を多く抱えています。

特に女性は更年期に差しかかり、女性ホルモン(エストロゲン)が減少する点から精神のバランスが崩れやすいです。

そんな「情緒障害」にも、玉ねぎは素晴らしい効果を発揮してくれます。

「ビタミン」の中に「ビタミンB1」という栄養素が存在します。

B1は糖質を素早くエネルギーに変えてくれる頼もしい存在であるものの不足すると疲労や不眠、イライラの症状を引き起こします。

しかし、玉ねぎの刺激成分「硫化アリル」はビタミンB1と結合し、アリチアミンという成分になります。

アリチアミンはビタミンB1を体内に長く留めてくれ、吸収を促進してくれます。

ですのでアリチアミンの効果を高めるためにも、ビタミンB1を含む食品と一緒に玉ねぎを食べる必要性があります。

B1を含む食品は、豚肉、ハム、かつお、大豆などです。

玉ねぎと一緒に摂り、イライラや不安を少しでも改善していきましょう。

最後は「食欲不振、摂食障害」です。

摂食障害、と聞くと若い女性の患者が多いイメージがありますが、現在、中高年世代の患者も増加しています。

たとえ、摂食障害でなくとも、食が細くなることはあまりよいことではありません。

体内のエネルギー貯蓄は日頃の活動においても重要ですし、人の体は栄養で作られていきます。

しっかりと食欲がわく仕組みを自分で考えたり、食を促す改善策について考えるだけでも十分変化があります。

さて、何度もお伝えしている玉ねぎの成分、「硫化アリル」は食欲不振の方にも強い味方です。

硫化アリルは胃の消化液の分泌を高め、胃の働きを改善し食欲を促進させてくれる効果があります。

ですので、玉ねぎ料理を定期的に口に入れることで、食欲も高まり、丈夫な体作りも担ってくれるでしょう。

食欲不振は無理やりがむしゃらに食べ物を摂ろうとしてもかえって逆効果です。

しかし、食を促進してくれるものを習慣的に摂取することは対策法の1つといえるでしょう。

ここまで玉ねぎの成分、「硫化アリル」を中心とした効果をお伝えしてきましたが、硫化アリルは加熱により焼失してしまいます。

生食で摂るのが1番ですが、火を通すときは玉ねぎを切って1時間程、放置してから火にかけましょう。

少し放置すると、玉ねぎ内に含まれる酵素の作用で、熱に強い物資に変質してくれます。

安価でさまざまなシーンで活躍する健康食材「玉ねぎ」

玉ねぎは中高年世代の病気を予防してくれる、頼もしい野菜です。

年中購入できることも魅力ですし、玉ねぎレシピが多いのも助かります。

是非、体の安定だけでなく、精神的な安定のためにも取り入れていただきたいです。

体を健康にすることで、活動範囲や気持ちにも余裕があらわれることを忘れないでください。