天神祭(大阪府)特別観覧席や参拝船や供奉船への乗船体験を楽しむ

最終更新日:2017年11月27日

大阪市の天神祭は京都の祇園祭や東京の神田祭と並び、日本三大祭りの1つとして江戸時代から有名でした。

7月24日の宵宮と25日の本宮には全国各地から約130万人の観光客が訪れ、大阪の夏を熱く盛り上げます。

1.宵宮神事の見どころ

天神祭は大阪市北区天神橋にある大阪天満宮の主催する神事で、大阪天満宮の創建から2年後の951年に開始された鉾流神事が起源です。

豊臣秀吉が大阪城を築いた頃に、現在見られるような神輿の水上渡御が確立したと推定されています。

江戸時代には天神祭が日本三大祭の1つに数えられ、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも紹介されたほど有名になっていたのです。

現在の天神祭は6月下旬から神事が始まり、7月24日の宵宮を経て25日の本宮で最高潮に達します。

24日朝には大阪天満宮本殿で宵宮祭の神事が古式ゆかしく行われた後、午前8時半頃から鉾流行列が大阪天満宮を出発します。

9時前には鉾流橋の斎場から斎船が漕ぎ出されますが、これこそが昭和5年に復活した伝統行事の鉾流神事です。

午後には大阪天満宮の境内から催太鼓がが出され、境内を練り歩いた後で氏地巡行に出発します。

催太鼓の宮入後に続く獅子舞や傘踊り・四つ竹の賑やかな行列も見逃せません。

2.本宮神事の陸渡御と船渡御

明けて7月25日の大阪天満宮境内では午前中から催太鼓やだんじり囃子が鳴り響きますが、午後1時半頃になると本宮祭の神事が始まるため境内が一斉に静まり返ります。

3時半頃の陸渡御行列出発に先立って神霊移御の厳粛な神事が行われた後、賑やかな催太鼓が再び鳴り始めるのです。

催太鼓を先頭として猿田彦や神鉾・だんじり・獅子舞・狸々山車らが続く陸渡御行列は総勢3000人にも達し、大阪天満宮から天神橋までの約3kmを練り歩きます。

陸渡御行列はおよそ2時間をかけて乗船場のある天神橋北詰に到着した後、6時頃からは天神祭のクライマックスとなる船渡御の壮麗な水上パレードの始まりです。

だんじり囃子が賑やかに鳴り響く中、大川を行き交う船の間で大阪締めと呼ばれる独特の掛け声が至るところで交わされます。

船渡御に加わる船は御神霊を乗せる御鳳輦奉安船の他、風流人形に飾られた御迎船や催太鼓船・だんじり囃子船・奉拝船・どんどこ船・列外船など約100隻にも及びます。

3.多彩な神賑行事も見もの

天神祭では以上のような宵宮祭と本宮祭の神事がメインですが、大阪天満宮の氏子たちが神様を賑わすために行う数々の神賑行事も見逃せません。

鉦太鼓を打ち鳴らしながら大阪市北区の中之島周辺から道頓堀川まで漕ぎ回るどんどこ船も、天神祭に欠かせない盛り上げ役です。

25日の本宮では船渡御の途中に奉安船で船上祭と呼ばれる神事も行われますが、24日の宵宮では水上薪能が大阪アメニティパークに係留された能船で実施されます。

宵宮に先立って前日の7月23日に天神橋筋商店街を練り歩く有名なギャルみこしは、1981年に始まった当時は「天神祭女性神輿」と呼ばれていました。

事前のオーディションで選ばれた女性たちが元気よく神輿巡行を行うギャルみこしは、今や天神祭の盛り上げ役としてすっかり定着しまています。

4.混雑必至の奉納花火

天神祭の神賑行事で最も人気を集めているのは、25日の船渡御に合わせて打ち上げられる奉納花火です。

25日の午後7時半頃から9時頃までの間に合計5000発ほどの花火が次々と打ち上げられ、100隻の船が行き交う大川を鮮やかに彩ります。

船渡御の中には篝火を運ぶ船も少なくないことから、夜の水面に篝火と花火が映える光景は天神祭の名物として知られます。

花火の打ち上げ場所は川崎公園と桜ノ宮公園の2カ所で、桜ノ宮公園周辺や源八橋・藤田邸跡公園前などの鑑賞スポットは大川沿いと並んで混雑が必至です。

良い場所で花火を見るにはそれらの鑑賞スポットへと早めに移動し、場所取りをしておく必要があります。

源八橋や桜宮橋は午後6時に交通規制が開始されると大混雑となるため、移動するのは困難です。

打ち上げ場所に近い桜宮橋の北側は特に混雑しますので、桜宮橋の南側や川崎橋付近の方が花火をゆっくり見物するのに向いています。

5.特別観覧席や参拝船や供奉船への乗船体験も人気

天神祭では夜の花火を目当てに大勢の観光客が詰めかけることから、早め早めに行動しないと混雑に巻き込まれてしまいます。

シニア世代の中にはそうした混雑が苦手だという人も少なくありません。

そうした人の間では、天神祭の奉納花火を目の前でゆっくり見物できる特別観覧席が人気を集めています。

なにわ橋付近の特設会場や桜ノ宮公園南側などに特別観覧席が設置され、人数限定でチケットが販売されます。

観覧席によっては特製弁当付きやテーブル席などさまざまな種類のチケットが用意されますので、予算に合わせて利用を検討してみるといいでしょう。

天神祭のハイライトとなる船渡御を間近で見るには、船の上が最適なポジションです。

これも特別観覧席同様に人数限定ではありますが、参拝船や供奉船などに乗れる乗船券も販売されます。

決して安くない料金でありながら、シニアの間で人気の高い乗船券は早い段階で満席となる例も少なくありません。

祭り好きなら一度は見たい天神祭

全国各地の祭りを巡る定年後の旅を計画しているシニアなら、天神祭は一度は見に行きたい祭りです。

大阪天満宮の近くには鱧料理を味わえる店や屋台も多くありますので、天神祭を見に訪れたら是非味わってみるといいでしょう。

約2.6kmのアーケードに600もの店が軒を連ねる天神橋筋商店街も、天神祭の日は大賑わいです。