定年後シニア男性が孤立・孤独から抜け出す方法は?

最終更新日:2017年10月19日

定年後の日本人男性は世界一孤独かも

2005年のOECDの調査によると、日本人男性の17%位は友人、同僚とスポーツや文化活動に参加したことが無いそうです。

この数字は調査対象のOECD加盟国21カ国(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、スロベニア、ラトビア)の中で一番高い数値です。

それでも、会社で働いているうちはまだい良いのですが、定年後の60歳を過ぎた男性の孤立孤独・孤独は、もう目も当てられません。
今まで毎日顔を合わせて、昼も夜も一緒に行動していた仕事仲間は、会社を定年で卒業したら、無関係になってしまいます。

これは同僚や先輩、部下たち、みんな住んでいる場所が違うためです。お互いに会社に来ているから毎日顔を合わせましたが、会社を辞めてしまえば、もう出会うことも無くなります。

会社仲間がみんな近くに住んでいる地方の場合は違うかもしれません。同じ地域に住んでいれば、たまたま出くわして、近況報告をし合う関係は続くこともありそうですね。

しかし都会のサラリーマンの場合、結局、定年後の男性の居場所は家庭だけになるのが普通です。
ところが家庭でも安穏としてはいられません。

会社に行っているときには、朝と夜中しか家にいなかった夫が、毎日、一日中家にいるために、朝・昼・夕食の準備など、妻の自由が拘束され夫婦仲が悪化することが多いのです。

男性も40年近く外で働き続け、やっと定年になって、ようやく本来の素の自分に戻り、自由な時間もできたのに、これでは夫婦ともに不幸なことになってしまいます。

この状態を解決する一番良い方法は、毎日、男性が外出することのようです。
外出先は地域の図書館や書店、映画館、デパート、巨大ショッピングセンター、喫茶店、駅のベンチなど様々です。

何とも心寒い話ですが、こういったところを順繰りに、誰とも話さず、巡っていく、これが行き場のないシニア男性の実態です。
定年後の男性は、唯一の居場所となった家庭に居続けることさえできない。仕事を無くすと男性は、その居場所すら失ってしまうということなんですね。

定年前から仕事と家庭以外に、いくつかのコミュニティーを持っておくことが必要

定年後も自分の居場所を確保するために、男性は50代も後半になったら、家と仕事以外の居場所を見つけておくことが大事です。

例えば、市町村が発行している広報誌やお知らせ等を詳細にチェックする。また、今までは、よく読みもしないで捨てていた地域の無料情報誌やフリーペーパーに掲載されているサークル案内をよく読み、体験参加してみる。

公民館、地区センターなどの各種イベントや市政モニター、県政モニターなどに応募、市民大学、老人大学などの市町村の生涯学習講座に参加したりしてみましょう。
こういったところに参加してみることで複数のコミュニティーとのつながりを確保することで、健康を維持し、定年退職後も充実した生活ができる可能性が高まるのです。

自分自身の定年後の人生を充実させると、奥さんや家族との関係にも良い影響が起きてきます。定年退職してからは自分のために使える時間はたくさんあります。
自分も奥さんも家族も、より良い時間を過ごすために、新たな出会いを求めて、積極的に外出しましょう。