インターネットを利用してお金を稼ぐ方法の1つとして、「せどり」と呼ばれる手法が挙げられます。
個人でも出品できる中古通販サイトやネットオークションを利用し、商品を仕入れ値より高く売るのがせどりの基本です。
1.せどりの対象品目
せどりはもともと古本の分野で行われていた手法で、古書店から安く購入した古本を別の古書店に高く売ることで利ざやを稼いでいた人たちが以前から存在しました。
本来の意味でのせどりは仕入れた古本の販売先を古書店実店舗に限定していましたが、現在ではインターネットを利用した販売形態が主流です。
対象とする商品も古本だけでなく、CDやDVD・ゲーム・おもちゃ・家電製品など多種多様な分野に拡大しています。
高価な骨董品・美術品を対象としたせどりもあれば、安価な食品や日用品を扱うせどりも考えられます。
商品の仕入先としては量販店やリサイクルショップなどの店舗から購入する場合もあれば、ネット通販を利用する場合もあります。
いずれにしても販売額より安く商品を仕入れることによって差額から利益を得る手法は共通しており、販売から商品発送までを効率化する目的でインターネットが活用されているのです。
2.仕入れた商品の販売方法
せどり商品の仕入先としては、古書店やリサイクルショップから家電量販店・ディスカウントストアまで多種多様です。
そうした店舗せどりに対して、インターネットの通販サイトから商品を仕入れる手法は電脳せどりと呼ばれています。
実店舗とネット通販という違いはありますが、どちらも高く転売できそうな商品を選んで想定売価より安く仕入れる点に変わりはありません。
仕入れた商品は中古品販売サイトやネットオークションに出品登録し、販売できる状態にしておきます。
商品が売れたら指定先住所まで発送することで、登録口座振込等の手段によって代金を回収されるという仕組みです。
せどりに利用されるサイトには多くの種類がありますが、集客力の高さからAmazonとヤフオク!が最も多く使われています。
Amazonマーケットプレイスはクレジットカードやデビットカードを持ってれば、誰でもアカウントを取得して商品を出品できるようになります。
ヤフオク!に出品するにはYahoo!プレミアム会員費用が必要です。
3.用意すべきツールと消耗品
実際にせどりを始める際には、商品の出品手続きを行うためのパソコンとインターネット回線が最低限必要です。
出品手続きはスマートフォンでも可能ですが、商品のリサーチ作業や登録作業はパソコンの方が効率的にできます。
店舗せどりの場合は店頭で商品の価格相場などを調べなければなりませんので、せどり用アプリがインストール可能なスマートフォンも必須のツールです。
スマートフォンを使った商品データ読み取り作業を効率化す目的で、店舗せどりを行う人の多くがバーコードリーダーも併用しています。
本格的にせどりを行うようになると大量の商品をストックしておく必要が生じるため、ある程度の広さを持つ部屋も用意しなければなりません。
プリンタを用意しておけば発送の際に送付先の住所や宛名の印刷が効率化され、大量の注文を処理することが可能になります。
発送時に使われる段ボール箱や封筒・透明ポリ袋・梱包材なども用意すべき消耗品です。
4.店舗せどりの手法
せどりで稼ぐためには、何と言ってもまず売るための商品を仕入れる必要があります。
仕入額が販売額より1円でも安ければ差額を稼ぐことはできますが、出品や発送の手間を考えると差額は大きいに越したことはありません。
せどりを行っている人たちは利益率の高い商品を求め、店舗や通販サイトに絶えず目を光らせているのです。
店舗せどりの仕入先はあらゆる業種の店が対象で、定価より安く買える商品を上手に見つける情報力が求められます。
古本や中古CD・DVD・ゲーム・家電製品・中古楽器などを安く購入できる店舗として最も多く利用されているのは、ブックオフやハードオフ・GEOといったリサイクルショップです。
店頭でAmazonの価格帯やランキングといった情報を効率よく知るには、モノレートというサイトがよく利用されています。
5.電脳せどりの仕入れ方法
ブックオフなどの店が近くに多い人は店舗せどりに有利ですが、そのような店が近くにないという人も少なくありません。
その点で電脳せどりは仕入れから販売まですべてインターネット上で完結する手法のため、地方に住んでいる人でも手軽に始められます。
ライバルの多いネット上で掘出物を見つけるにはリサーチ力も必要になってきますが、商品を定価よりも安く買えるサイトは案外多く見つかるものです。
家電量販店などのオンラインショップでしばしば開催されるタイムセールやアウトレット販売を利用したり、中古商品を販売している通販サイトを利用したりする仕入れ手法が考えられます。
ネットオークションやフリマサイトでも掘出物を見つけることは可能ですので、そういった仕入先を複数確保しておくで電脳せどりも十分に成り立つのです。
6.出品のための手続き
以上のような方法で売るべき商品を仕入れたら、次はAmazonやヤフオク!などのサイトで出品手続きを行います。
事前に出品アカウント登録など必要な手続きを済ませておいた上で、それぞれ決められた手順で商品名や出品価格などの情報を登録していきます。
出品の際には商品のコンディションに関する情報も登録しなければなりません。
クレームを防止するためにも商品の状態は正確に記載し、できるだけ詳しく説明しておくのが無難です。
ネットオークションの場合は商品の写真を掲載するのが普通ですが、Amazonに中古品を出品する場合でも写真を撮影して掲載した方が信頼性をアピールできます。
出品したら後は商品が売れるのを待つだけですが、せっかく仕入れた商品をできるだけ早く売れるようにするには相場よりも高すぎないような価格設定も重要です。
7.配送方法とFBAの利用
出品した商品が売れたら、購入者からのクレームを避けるためにも速やかに発送しなければなりません。
商品のサイズや種類によって段ボール箱や封筒などを選び、梱包材やOPPシートなども使って商品を保護した上で発送します。
この発送作業も取扱商品が少ないうちはそれほどの負担ではありませんが、せどりで毎月まとまった収入を得ようと思えば大量の商品を発送する必要が出てきます。
せどりで本格的に稼いでいる人の中には、AmazonのFBAと呼ばれる有料サービスを利用している人も少なくありません。
FBAとは出品者から商品を倉庫に預かり、商品が売れたら梱包から発送までの作業を代行してくれるという便利なサービスです。
FBAを利用することで大量の商品を自宅に保管する必要がなくなり、面倒な発送作業に煩わされることもありません。
FBAによる発送では送料も基本的に無料となってAmazon発送の信頼性が得られるため、商品が売れやすくなるというメリットも得られます。
店舗せどりに電脳せどり。さまざまな手法で始めてみよう
せどりで稼いでいる人も多種多様の例が見られ、副業として気楽にコツコツと取り組む人もいれば、せどりツールやFBAを使って本格的なビジネスを展開する人もいます。
以上に見てきたような仕入れ手法や販売手法が広く知られるようになったことから、せどりを行う人は主婦やサラリーマン・シニア層といった人たちの間でも増加中です。