定年後の旅!三十三間堂(京都府)で千一体の千手観音像や通し矢に感動

最終更新日:2017年9月26日

京都で有名な寺院である三十三間堂。

清水寺や伏見稲荷のように目立つ観光地ではありませんが、一度行ってみたいという方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな三十三間堂の魅力をその成り立ちも含めてご紹介します。

1.お堂の柱間が本当に三十三個ある

三十三間堂の正式名称は蓮華王院といい、国宝にも指定されています。
後白河上皇が創建した法住寺殿という院の御所内に建てられたものでした。

一度火災で焼失し現在の三十三間堂は1266年に再建されたものです。
三十三間堂と呼ばれるようになったのはお堂の柱間が三十三個あったからです。

これは観音菩薩が三十三種類の姿に変じるとされたことから取り入れられました。

三十三間堂に行った際にはぜひ柱間の数を数えて見てください。

2.三十三間堂内に千一体の千手観音像が置かれている

三十三間堂は只のお堂ではなく中には千手観音像が安置されています。
まずお堂の中央には本尊である国宝、千手観音坐像が安置されています。

三十三間堂が再建された際に大仏師湛慶らによって作られました。
この本尊を囲むように国の重要文化財である千体千手観音立像が安置されています。

名前の通りこちらは本当に千体安置されています。
三十三間堂の中に入るとこの千一体の仏像に圧倒されます。

こんなに多くの仏像を一挙に見られる機会はそうそうありません。
ぜひ自分好みの仏像を探して見てください。

3.通し矢が見られる

三十三間堂では特徴的な行事として通し矢が行われています。
通し矢がいつから行われていたかははっきりしませんが、江戸時代に武士の間で盛んに行われるようになりました。

距離が約120メートルもある三十三間堂の西の軒下を、端から端まで壁や天井に当てずに矢を通すというものです。
弓道の経験がある方でしたらお分かりかと思いますが、通常矢を遠くまで飛ばすには矢を上に射る必要があります。

そのため、天井のある場所で120メートル先に矢を送るのは至難の業です。
武士による通し矢は明治時代頃に行われなくなってしまいましたが、今でも形を変えて行われています。

現代の通し矢は毎年1月にその年の新成人によって行われています。
女性は振袖に袴で参加するのでとても華やかです。

もちろん今ではお堂の軒下では行われていません。
ですが女性が振袖で弓を射る姿はなかなか見られるものではありません。

また1月に行われるため雪が降ることもあります。
雪の中振袖の女性が矢を射る姿はとても美しいです。

全国からその姿を写真に収めるために人が集まるほどです。
年に一度しか見れない行事なので1月に京都に行く機会があればぜひ行って見てください。

4.通し矢の跡が見られる

三十三間堂で行われていた通し矢については先ほど説明しました。
江戸時代に大流行していたという通し矢ですが記録では一昼夜で8000本以上射たというものが残っています。

今ではもう見られないと思われるかもしれませんが、なんとその江戸時代の通し矢の跡が残っているのです。
三十三間堂の軒下に行った際には上を見上げて見てください。

今も昔の矢がそのまま残っているところがあります。
ぜひ歴史を感じてみてください。

5.周辺観光も楽しめる

三十三間堂はそれだけではなく周辺の観光も楽しめるのが魅力です。
周辺には京都国立博物館、養源院、豊国神社、妙法院、東福寺、八坂神社、清水寺などがあります。

中でも養源院と京都国立博物館は徒歩でも移動が可能です。
三十三間堂の周辺はとにかく観光客で混雑している京都の中では珍しく観光客の少ないエリアです。

ぜひゆっくりと京都の歴史を感じてみてください。

6.重要文化財や国宝がたくさんある

通し矢や本堂、観音菩薩像について説明しましたが、三十三間堂の魅力はそれだけではありません。
他にもたくさんの見どころがあるので順番に紹介します。

まず重要文化財として南大門と太閤塀があります。
南大門は豊臣秀吉が建立したといわれる八脚門です。

次に太閤塀ですがこちらもその名の通り太閤である豊臣秀吉が建立したといわれています。
また国宝には風神・雷神と二十八部衆があります。

これらの三十体は千体観音像の前に安置されています。
多くの重要文化財や国宝がある三十三間堂。

見逃さないようにぜひ事前にリサーチしてから行ってみてください。

7.庭園が美しい

三十三間堂はお堂だけではなく美しい庭園もあります。
庭園には夜泣きが治るという夜泣き地蔵や法然塔があります。

法然塔は法然上人が六時礼讃という法要を行い、南無阿弥陀仏と書写して集まった人々に分け与えたといわれる塔です。
時間が余った際にはぜひ足を運んでみてくださいね。

たくさんの文化財に触れられる三十三間堂に行ってみよう

いかがでしょうか。
以上が三十三間堂の魅力です。

一度にたくさんの国宝や重要文化財を見学することができる上に美しい庭園もあります。
自然にも歴史にも触れることができるすばらしい場所でのんびりとそれらを学ぶことができます。

ぜひ足を運んでみてください。