田沢湖は日本で一番深い湖であり、瑠璃色の水をたたえた湖面は神秘的な美しさを醸し出しています。
また、たつこ姫の伝説があり、更に神秘性を深めているのです。
一日で一周することもできる湖畔を楽しんでみましょう。
1.アクセス
田沢湖へ行くには二つの方法があります。
まずは、東京駅から秋田新幹線で向かい田沢湖駅で下車します。
駅からはバスがありますから、それに乗り15分ほどで到着します。
車の場合は、東北自動車道盛岡インターで一般道へおり、国道46号線、341号線で行くことができます。
湖畔には駐車場が何カ所もありますので、大変便利です。
2.湖に立つ美女、たつこ姫
資料館や遊覧船乗り場から湖を半周ほどしたところに、金色に輝くたつこ姫の像が佇んでいます。
たつこ姫には悲しい伝説が語り継がれているのです。
ほとりの村に辰子という大変美しい娘が住んでいました。
辰子はその美しさを永遠に保ちたいと大蔵観音に願を掛けます。
すると、観音からお告げがありました。
山深い泉の場所を示し、その泉の水を飲むようにと言うのです。
お告げ通りに辰子は水を飲みますが、いくら飲んでも乾きは癒えません。
更に飲み続けた辰子は自分が龍になっていることを知ります。
今でも美しいのに、永遠の美しさまで求めた自分に報いがあったと悟った辰子は湖に身を沈め、田沢湖の主となったのです。
このような伝説を知って黄金の像を見ると、哀れを誘われます。
人は、老いる者という心構えをしていなくてはいけないと、教えてくれているのかもしれません。
3.伝説の泉のある御座石神社
更に湖のほとりを北上します。
すると、湖のほとりに赤い鳥居が見えてきます。
ここが、辰子が観音から教えられた泉のある場所です。
大きな石場があり、かつて秋田藩主が座を設けたことからこの名前が付きました。
境内には、赤い屋根の本殿があり、中には龍の姿をした辰子像が祀られています。
鳥居の正面は湖を向いており、まるで湖から上がってくる辰子姫を迎えるように建っています。
4.クニマスのふるさと田沢湖
さて、現代のお話です。
数年前富士五湖の西湖でクニマスが発見されました。
まだ、覚えている方も多いことでしょう。
このクニマスのふるさとが田沢湖です。
それまでは、強酸性の水が流れ込み絶滅したと思われていました。
クニマスにもまた辰子に関わる伝説があります。
龍になってしまった辰子は湖に入ってしまったため、家に帰ることはありませんでした。
心配をした母親が探しに来ると、元の姿に戻った辰子と会いました。
龍になったことを知った母親が、別れを告げる辰子を思って松明を投げます。
それが、水に入ると魚の形となり、クニマスになったというお話です。
西湖で見つかったクニマスは田沢湖へ里帰りしたということですから、辰子も喜んでいることでしょう。
5.湖一周の途中の見所
たつこ像や御座石神社以外にも、田沢湖には見所がいくつかあります。
御座石神社から出発点に戻る途中にハーブガーデンがあります。
多くのハーブを栽培しており、季節によって様々なハーブに出会うことができます。
そのハーブはショップで購入したり、レストランで食したりもできます。
また温室もあり、その中にはハーブだけではなく沢山の花々が出迎えてくれます。
ハーブやお花の苗も販売され、可愛いテラコッタなども沢山あります。
また、この温室内でゆっくり休めるようにとくつろぎスペースには椅子とテーブルが置かれています。
6.田沢湖町郷土資料館も見学しましょう
遊覧船乗り場の近くには郷土資料館が設けられています。
黒倉遺跡から出土した土器や石器を始め、明治時代初期まで使われていた漁具などが展示されています。
クニマスを捕っていた丸木舟は一見の価値があります。
他にも、北の湖ならではの生活用品などもあります。
7.遊覧船で湖上からの眺めを満喫しましょう
時間が許すなら遊覧船に乗って見ましょう。
約40分のクルージングです。
ほぼ湖を一周しますので、素晴らしい景色を堪能できます。
湖上からの景色は、四季折々に大変美しいものですが、秋の紅葉時期になると湖岸がまさに錦秋になります。
それが湖面に映り込み息を飲むような美しさです。
遊覧船乗り場の側には、一風変わった形の松があります。
仙人の住むという中国蓬莱山の松に似た枝振りと名付けられました。
その側には小さな神社がありお神籤を引くこともできます。
8.秋田犬の子供に会えるかもしれません
湖のほとりのお土産物屋で秋田犬の展示をやっていることがあります。
また、店舗の奥には数頭の秋田犬も飼っていますので、犬好きな人はぜひ訪ねてみましょう。
きりっとした日本犬の美しさを感じることができます。
田沢湖を一周して観光を楽しもう
田沢湖は一日で十分一回りすることができます。
引き込まれそうな瑠璃色の水に心洗われ、たつこ姫の伝説に哀惜を感じ、湖の景色の美しさに感動し、北の瞳のような湖を堪能しましょう。
そして、もし宿泊をするのであれば、すぐ近くにある乳頭温泉でゆっくり温泉に浸かることもオススメです。