サラミ・ビーフジャーキーには塩分や添加物が多くて健康リスクがある!

最終更新日:2017年10月30日

酒のおつまみにサラミやビーフジャーキーなどの食肉加工品を食べている人はシニア世代にも少なくありません。

スパイシーな味がビールなどによく合うためついつい食べる量が増えてしまいますが、食べすぎには注意が必要です。

1.酒のつまみに人気の食肉加工品

肉に塩や香辛料を塗って乾燥させたジャーキーは、もともと南米または北米大陸で利用されていた保存食です。

牛肉を使う例が多いことからビーフジャーキーとも呼ばれますが、鶏肉や豚肉などを使ったジャーキーもあります。

以前はアメリカ旅行の際のお土産として定番だったビーフジャーキーも、BSE問題が騒がれて以降はアメリカやカナダで売られている商品を日本に持ち込めなくなりました。

現在スーパーやコンビニで買えるビーフジャーキーの多くは、国産牛肉やオーストラリア産牛肉を原料とした商品です。

一方のサラミはイタリア発祥のドライソーセージで、豚または牛のひき肉に塩やラードなどを混ぜた上で乾燥・熟成して作られます。

ピザの具としてよく利用されるサラミは、ビーフジャーキーとともに酒のおつまみとしても人気がある食肉加工品です。

どちらも肉を原料としていますが、肉以外の材料が多く使われている点は注意を要します。

2.塩分が多い点に要注意

まずビーフジャーキーとサラミソーセージに共通する健康リスクとして、ともに塩分が多く含まれる点が挙げられます。

商品によっても違いはありますが、100g当たりに含まれる塩分の量はサラミで3.6g、ビーフジャーキーでは4.8gにも達します。

食肉加工品はもともと肉を保存する目的で考え出された食品のため、日本の漬物と同様に塩が含まれています。

それでもハム100g当たりの塩分量は2.5gでベーコンが2g、ウインナーでも1.9gに過ぎません。

ビーフジャーキーとサラミは食肉加工品の中でも一二を争うほど塩分が多く含まれるため、血圧が高めの人は食べすぎに注意する必要があります。

日本人は特に味噌やしょうゆなどで塩分摂取量が多い傾向にあるため、心臓病や脳卒中・胃がんのリスクが高いと言われています。

中高年になると血管も老化が進んで若い頃よりも血圧が高くなる人が増えますので、健康を維持するためにもビーフジャーキーやサラミのような塩分の多い食品は控えめにするのが無難です。

3.多くの添加物を使って製造

ビーフジャーキーやサラミを製造する際には、肉や塩以外にもさまざまな材料が使われています。

原料の一部に小麦や大豆たんぱく・ゼラチンなどが結着材料として含まれている商品も多く、そうした商品では全体に占める食肉の割合が低くなっているものです。

それら複数の材料や水分をリン酸塩などの結着剤を使って固めることで、商品の量を効率的に増やすことができます。

原料に占める肉の割合が多くなるほど製造コストは高くなりますが、水や小麦・大豆たんぱくなど安い材料の割合を増やすことで低価格での販売が可能になります。

ビーフジャーキーやサラミには香辛料も多く使われているために、肉以外の原料で増量されていても気がつきにくいものです。

結着剤によく使われるリン酸塩はカルシウムの吸収を阻害する性質を持っており、過剰摂取すると骨が弱くと言われているだけでなく、動物実験では腎臓結石の発生も確認されています。

4.発色剤・保存料・結着剤のリスク

市販のビーフジャーキーやサラミには結着剤以外に多くの添加物が使われている点も懸念材料です。

欧米の一般家庭で手作りされたビーフジャーキーやサラミソーセージは、塩蔵と乾燥だけで十分に日持ちがします。

メーカーが工場で製造する食肉加工品は食品衛生法の基準を満たす必要があり、採算が取れるようにコストも調整しなければなりません。

そのため食肉を原料としながら低コストで長期間常温で保存できるよう、保存料や酸化防止剤といった添加物が使われているのです。

食肉加工品の保存料によく使われるソルビン酸カリウムは有害な細菌の繁殖を抑えてくれる物質ですが、発がん性を持つ疑いがあるため摂取を避けた方がいいと言われています。

食肉加工品の色を良くするために使われる発色剤の亜硝酸ナトリウムも、発がん性を生じる可能性が指摘されている物質です。

5.食生活改善で生活習慣病を予防

ビーフジャーキーとサラミには他にもうま味を出すための合成調味料や濃厚な味にするためのたんぱく加水分解物など、多くの添加物が含まれています。

安全性に問題ないと言われている物質が大半ですが、それらを複数組み合わせて長期間大量摂取した場合の影響までは確認されていません。

ビーフジャーキーやサラミを購入する際には、少なくとも原材料名に保存料と発色剤が書かれていない商品を選ぶようにするといいでしょう。

最近では健康志向の高まりを受けて無添加を売りにするビーフジャーキーやサラミも登場しています。

一般のスーパーやコンビニで売っていなくても、インターネットの通販で購入できる商品も少なくありません。

添加物が多く含まれていて食肉の含有率が低い安価なビーフジャーキーやサラミに不安を覚える人は、安全性の高い無添加の商品を取り寄せてみるといいでしょう。

健康リスクを考え、サラミ・ビーフジャーキーとの付き合い方を知る

がんに代表される病気は何か1つの原因が引き起こすとは限らず、さまざまな生活習慣が複雑に絡み合って発症に至るものです。

安価なビーフジャーキーやサラミに含まれる添加物も、1つ1つは小さな影響しか持ちません。

以上のような添加物の摂取を減らしていけば、健康リスクのある物質の積み重ねで起きる病気が予防されるのです。