シニアの生活習慣病を防ぐミカンの成分と健康への効果【食品】

最終更新日:2017年8月22日

冬になるとみかんを食べる機会が増えるでしょう。
冬といえばコタツでみかん、と言われるくらい私たち日本人にとってみかんは馴染みの深い果物です。

皮を剥くだけで簡単に食べられるので、ついつい2個3個と食べてしまうこともあると思います。
そんなみかんには健康に良い効果があります。

1.ビタミンCが摂取できる

みかんは柑橘系の果物の代表ですが、柑橘系といえばやはりビタミンCのイメージが強いでしょう。
実際に、みかんには1つあたりおよそ35gとたくさんのビタミンCが含まれています。

成人男性が1日に必要とするビタミンCが100gなので、3つ食べれば十分に超えてしまいます。
ビタミンCは水や空気に触れると溶けたり分解されたりしてしまうので、食べ物から十分な量を摂取するのが難しくなります。

ところがみかんの場合は、その皮がビタミンCを守ってくるのです。
また、みかんは洗ったりナイフで切ったりする必要がなく、剥いたらすぐにそのまま食べられるので効率良くビタミンCが摂取できます。

「風邪にはビタミンC」というくらい、ビタミンCは健康に良いものとして私たちの中に根付いています。
しかしビタミンCをきちんと摂取すると、風邪をひきにくくなるだけでなくコラーゲンの老化を防ぎ肌を若々しく保ったり、抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモンの合成を促進してくれたりもします。

健康にも美容にも良いビタミンCを摂取できる、とても良い食べ物です。

汗や尿と共に体の外に排出されてしまうので、一度に何個も食べるのではなくこまめに食べるのが良いでしょう。

2.生活習慣病を防ぐ

みかんにはβクリプトキサンチンという成分が含まれています。
βクリプトキサンチンは柑橘系の果物に多く含まれており、みかんに最も多く含まれています。

糖尿病などの生活習慣病の進行を抑える効果があります。
その他にも骨粗鬆症の予防や美肌効果、免疫力を高める効果があるとされています。

発がん性物質から体を守る役割もあり、ガン予防にも効果的です。
このβクリプトキサンチンのすごいところは、その効果が長続きする点です。

冬の時期にたくさんみかんを食べた人ほど、9月に体内に多くのβクリプトキサンチンが存在するという結果が出ています。
みかんを食べることによって、βクリプトキサンチンが長期間にわたって体を守り続けてくれるのです。

3.皮をむいたみかんの実の表面に残る白い筋も栄養豊富

みかんの皮をむいた時に実の表面に残る白い筋を、取る人とそのまま食べる人がいます。
あの部分にもたくさんの栄養が詰まっているので、できればそのまま食べることをオススメします。

「アルベド」と呼ばれるみかん全体に栄養を運ぶ管の役割をしており、実の部分よりも栄養が豊富とまで言われています。
まずあの部分に含まれているのは「ペクチン」と呼ばれる善玉菌を増やす作用を持つ食物繊維の一種です。

お腹の調子を整え便秘を改善する、肥満や動脈硬化、高血圧を予防するなどの嬉しい効果がたくさんあります。
なんと、アルベドもきちんと食べることで実だけで食べるより4倍の効果があると言われています。

アルベドに含まれる「ビタミンP」という物質は抗炎症作用があり、アレルギーや花粉症、アトピーなどの症状を緩和させてくれます。
また、「ヘスペリジン」と呼ばれる栄養素は実の部分の300倍も含まれています。

これにはビタミンCを吸収しやすくする効果があります。
先ほど説明したように、みかんには大変多くのビタミンCが含まれています。

それを効率良く体内に取り入れる手助けをしてくれます。
さらに、ガンの発症を抑える効果まであると言われています。

マウスを使った実験によると、食道ガンや胃ガン、大腸ガンなどに効果が見られたそうです。
なんとなく食感が嫌いだったり、キレイに剥きたかったりする人も多いかとは思います。

それでも、みかんに含まれる栄養をきちんと摂取するために、白い筋は剥かずに食べるようにしましょう。

みかんは食べ過ぎず、適量を守って健康を目指そう

ビタミンCをはじめとし、体に良いことづくしのみかんについて説明してきました。
日本人に馴染みの深い果物の一つであるみかんは、私たちの健康にとって大きな役割を果たしてくれる成分をたくさん含んでいます。

もちろんいくら栄養があるからと言って食べ過ぎは良くありません。
食べすぎるとお腹を下してしまう恐れや果糖により太りやすくなってしまう恐れがあります。

また、体を冷やしてしまう恐れもあるので冷え性の方はお気をつけください。

1日に何十個も食べるのではなく、3つ程度に抑えるのが体のために最も良いでしょう。