摩耶山掬星台(兵庫県)は100万ドルの夜景発祥の地

最終更新日:2017年10月30日

神戸、そして六甲山からの夜景と言えば、行ったことがなくても「100万ドルの夜景」や「日本三大夜景」としてご存知の方も多いことでしょう。

神戸にはいくつかの夜景スポットがありますが、今回ご紹介する摩耶山掬星台(まやさんきくせいだい)から望む夜景は、「1000万ドルの夜景」とも称されるほどの神戸屈指の夜景スポットです。

1.大阪から神戸までの大パノラマ夜景はまさに芸術品

兵庫県神戸市にある摩耶山掬星台から見る夜景は、東から西まで途切れることなく続く圧巻の眺望に言葉を失います。

東方面からは、遠く関西国際空港付近から大阪、阪神間にかけて近づいてくる細かなきらめきの数々と、大阪湾のカーブが描く海と陸との地形の妙が光に浮かび上がって絶妙なバランスの景観になります。

正面から西に目線を移すと、広がるのは神戸市街地と神戸港です。

大量の宝石を散りばめたようなまばゆい絶景が眼下に広がり、阪神高速道路湾岸線が電飾飾りのアクセントのように西の明石方面まで東西を貫いています。

漆黒の海上では六甲アイランドやポートアイランドがきらびやかに浮かび上がり、その周りでいくつかの船が小さな明かりを灯して海の静けさに身をゆだねています。

訪れた多くの方が息をのむ摩耶山掬星台からの夜景は、数えきることができない陸地の明かりと深く沈む海とがひと枠に収められた、名匠が描く絵画に優るとも劣らない一大アートです。

2.100万ドルの夜景発祥の地

見る人に感動を与えてくれる夜景のことを日本人は「100万ドルの夜景」と形容します。

実は、100万ドルの夜景と初めて称された場所は、神戸の六甲山から見る夜景と言われています。

100万ドル分を払っても良いぐらい素晴らしい夜景だから、という意味ではないようです。

そうではなく、昭和30年頃、眼下に広がっている大阪から神戸にかけての住居や職場などが夜間に灯す無数の明かりの電気代が、100万ドルに相当したからと言われています。

当時よりかなり人口が増加し建物も増えた現在では大幅に電気使用量も増えたため、ある試算によるとその額は1000万ドルを超えるようです。

ひと昔前の「100万ドルの夜景」が現在の「1000万ドルの夜景」に進化した理由がここにあります。

3.日本三大夜景のひとつ

北海道函館市の函館山から望む夜景、長崎県長崎市の稲佐山から望む夜景、そして、兵庫県神戸市の摩耶山掬星台から望む夜景の3箇所は、日本国内で見ることができる特に美しい夜景として「日本三大夜景」と言われています。

函館山は標高334メートル、稲佐山は標高333メートル、摩耶山は標高702メートルとあまり高すぎない山なので比較的簡単に登ることができ、ロープウェイや展望台などの設備も整備されているため気軽に訪れることができます。

また、海や港が近くにあることで眺望の趣きが一段と増し、周辺観光施設も充実しているため、夜景を満喫することができるのが日本三大夜景の特徴です。

ちなみに摩耶山掬星台からの夜景は「日本新三大夜景」にも選ばれています。

4.摩耶山掬星台(まやさんきくせいだい)とは

摩耶山は東西に横長の六甲山系にある山のひとつです。

六甲山という名称は有名ですが、実はひとつの山を指すのではなく、神戸市から宝塚市にかけて長く続く大小さまざまな山の集合体をまとめて六甲山と言います。

神戸市中心部の近くに位置する摩耶山は標高702メートルで、掬星台は山頂近くにある夜景を楽しむための展望広場の名称です。

掬星台という名前の由来も、夜景の名所らしく「手で星を掬(すく)えるほど」ということから名づけられました。

広場内には天の川をモチーフにした遊歩道「摩耶。

きらきら小径」があり、夜になると遊歩道に埋められた発光石がブラックライトに照らされて青く光り歩道を彩る様子が見られます。

展望広場は無料で終日訪れることができますが、「摩耶。

きらきら小径」のライトアップは23時までです。

また、広場の近くには軽食やバーベキューを楽しめる施設があるほか、ホテルで宿泊することもできます。

5.便利なアクセスと近隣スポット

車で行く場合は掬星台の手前にある駐車場に車を止めて徒歩で10分ほど歩きます。

徒歩で摩耶山掬星台へ向かうためにはケーブルカーとロープウェイを乗り継いで行きます。

摩耶ケーブルの「摩耶ケーブル駅」から「虹の駅」までが約5分、摩耶ロープウェイに乗り換えて「星の駅」までが5分ですから乗車時間は長くありません。

神戸市の中心部からでも40分ほどで到着できます。

「星の駅」からはすぐに掬星台の展望広場に行くことができます。

展望広場の北隣には摩耶自然観察園があり、自然林を利用した散策路を巡ってアジサイなどを観賞することができます。

近隣には布引ハーブ園や六甲山牧場などがあり、日中は近隣スポットを訪れて楽しみ、夜に掬星台の夜景を堪能するコースもオススメです。

神戸に行くときは、摩耶山掬星台の夜景を楽しもう

神戸を訪れたら是非とも体験してほしいのが摩耶山掬星台から望む夜景です。

夜景が好きな方はもちろん、そうでない方でも訪れて後悔しない感動がそこにはあります。

地元の方から観光客まで幅広い方に大人気の「1000万ドルの夜景」を見て、素敵な夜をお過ごしになってはいかがですか。

死ぬまでに一度は見ておく価値は十分です。