猫を家族として迎え入れるからには事前の準備が必要になりますよね。
今回のテーマはメジャーな品種とは言えませんが、人気が高まっているソマリという種類です。
猫と言っても、種類の違いから個体差まで様々です。
活発な猫から物静かな猫までいますので、飼ってみたはいいけど自分たちには受け止めきれなかった等の理由で猫を処分してしまわないように、自分の生活スタイルでどの猫が飼いやすいのかをしっかりと考えてみましょう。
1.ソマリの歴史と性格
ソマリはアビシニアンの中で長毛の個体を選別して交配させた品種です。
かつてエチオピアはアビシニアと呼ばれ、そのアビシニアの猫ということでアビシニアンという名前が付けられました。
1960年代に長毛のアビシニアンがカナダで披露されたことがきっかけとなり、長毛のアビシニアン同士を交配させ、1978年にアメリカの団体に新種として登録されました。
名前はエチオピアの隣国であるソマリアから名付けられたので誤解しがちですが、エチオピアで改良された訳ではありません。
とても人見知りをしますが、飼い主には強い愛情を持ち、積極的にスキンシップを取ってくれます。
大きな音が苦手とされますので、雷などの自然災害は別として、飼い主が防げる音にはできるだけ気を使ってあげる必要があります。
ソマリは猫の中でも頭が良いとされ、室内飼いをしようと考えていても、いつの間にか外に出てしまっていたり、外へ出ないように対策を取っていたとしても飼い主の想像を上回る方法で脱走することがあります。
2.ソマリの値段
ソマリの販売価格は10万円以上が相場です。
毛の色や血統によっては20万円以上の高額になる猫も少なくはなく、メジャーな猫に比べると金額は高めになっています。
他の種類と交配しているミックス(雑種)ですと、値段は下がります。
あまりメジャーな種類ではないため、大規模なペットショップに出向かなければあまり見かけることが無く、ブリーダーを通して購入することになります。
ソマリは色で大きく4種類に分けられますが、その中でもブルーの子猫が高額になるようです。
また、細分化すると10種類以上は色の違いがあるとのことですので、購入の際はじっくりと時間をかけて選ぶことをオススメします。
3.ソマリの身体的特徴
基本的に長毛種は性格が穏やかで、活発に動かないとされていますが、ソマリに関してはこれが当てはまらないことが多くなります。
まず体重についてはオスが3kg~5kgで、メスが2.5kg~4kgほどとされるため、猫全体の平均から見ると小さい種類と言うことが分かります。
身体は長い毛で覆われているものの、小さい種類の猫ですので、顔が小さく凛々しい精悍な顔つきに見えます。
先祖が猫の中でも特に活発で知られているアビシニアン系統のため、しなやかで高い身体能力を有することから、飼い主が驚くほどの跳躍力でタンスに飛び移るとか、カーテンをすごい勢いで駆け上がったりします。
4.ソマリの寿命と病気
平均寿命は12歳前後とされていますので、猫全体の平均寿命が13歳ほどとされているので、やや短いかほぼ平均と言えるでしょう。
ソマリの遺伝性疾患に溶血性貧血があります。
日本の場合はこの病気を病院で特定することが難しいという現状がありますので、純血の場合は気を付ける必要があり、人間と同じような貧血の兆候が見られたら要注意です。
ブリーダーから購入するのであれば、純血なのか他の種類と交配しているのかを必ず確認しましょう。
エサに関しては一般的なエサで十分ですが、どの猫を飼う際にも同じことで、できるだけ添加物や人工色素で色付けされている安いエサを与えるのは止めましょう。
5.ソマリの飼い方
ソマリを安心して飼える家庭はそれなりに制約があります。
猫自身が好きに遊べるだけの広さがあること。
大人しくてあまり動かない種類ならワンルームでも飼えますが、ソマリは活発な猫ですから広さが必要です。
室内飼いは徹底すること。
活発な猫ですので飛び出して車に轢かれたり、他の猫とのケンカに巻きこまれることも考えられます。
今の時代は猫は室内飼いをする方向で推奨されていますが、外で自由に遊ばせてあげようという考えで取り返しのつかないことにもつながります。
猫は8歳以降になると高齢とされるので、体力が落ちないように飼い主が遊んであげる必要がありますので、飼い主の体力も必要になってきます。
最低限年に一度は動物病院に連れて行きましょう。
ワクチン接種や、種類に応じた要注意の病気の検診などを行ってもらうためです。
年間に医療費を2万円ほどは計算しなくてはなりません。
エサ代とトイレの猫砂などの消費財と医療費を合せると、少なく見積もって年間に5万円以上はかかる計算になります。
今はペット保険への加入が推奨されていますので、それらを合せれば100万円以上の費用をねん出することが大前提となります。
将来を見据えながらソマリを飼うことを検討する
介護業界で特に問題になっているのが、ご老人が猫を飼っていて、病気になった猫を病院に連れて行く体力が無い、またはお金が無いということがあります。
結果として家が荒れて、不衛生な環境下で人間と猫が同居する環境になってしまいます。
70歳はまだまだ働ける年齢ですし、アクティブシニアが若者以上に元気な時代になりました。
しかし、70歳で猫を飼い始めて、猫の体力が落ちてきた10年後は80歳になっている訳です。
自分も猫も両方弱っている状況に陥ることになります。
特にソマリは活発な猫ですし、室内飼いを徹底しようと思っても自分で網戸を破って出ていく等の知恵が回る品種ですので、世話を見切れなくなる可能性が高いです。
ソマリを飼える家庭としてはまだ家族が若い、または若い家族がいることが大前提となります。