白壁の土蔵や赤レンガ倉庫が立ち並び、歴史と文化が息づく倉敷の街。
山陽新幹線岡山駅からJR山陽本線で16分とアクセスがとても便利です。
江戸、明治、昭和の時代に浸りながら、マップ片手にのんびりと旅を満喫しましょう。
1.国の伝統的建造物群の美観地区
倉敷は400年前、江戸幕府の直轄地として人々や荷物の集約地として栄え、倉敷川はこの地域の運河として利用されていました。
町の中心、倉敷川沿いには白壁の町家や柳の並木など、当時の風情がそのままに残っています。
人気の川舟に乗って、船頭さんの話を聞いているうちに、まるで江戸時代にタイムスリップしたようです。
舟を降りたら、今橋を渡り昔ながらの町並み本町・東町界隈へ。
今もここには200世帯ほどが暮らしているそうです。
モダンなギャラリーや雑貨店、こだわりのコーヒー店などがさりげなく町並みに溶け込んでいて、ゆったりと大人の散策が楽しめます。
2.世界的コレクションの大原美術館
昭和5年、倉敷紡績二代目の大原孫三郎が設立した、日本最初の私立西洋美術館です。
世界の巨匠の絵画を数多く所蔵し、エル・グレコの「受胎告知」やクロード・モネの「睡蓮」、ゴーギャンの「かぐわしき大地」、セザンヌの「水浴」、日本の近代絵画を代表する岸田劉生の「童女舞姿」、青木繁「享楽」のほか、オリエンタルや東洋美術など幅広い作品が展示されています。
期間限定ですが、朝の開館前にベテラン解説員ならではの解説付きで名画鑑賞ができる「モーニングアート」が体験できるかもしれません。
本館はギリシャ神殿神殿風の建物で、その壮大な外観に圧倒されます。
隣接して現代美術の分館や工芸・東洋館もあり、美術ファンならずとも何度でも足を運びたいところです。
3.ツタと赤レンガが印象的なアイビースクエア
ここが工場跡だったとは思えないほどの、どこか外国の庭園に迷い込んだような素晴らしい空間が広がります。
二万平米を越える広大な敷地内には、ホテル、レストラン、倉紡記念館、オルゴール館、陶芸も楽しめるスペースなどが点在し、明治から現代まで時代の変遷を振り返ることもできます。
明治22年に倉敷紡績工場が建設され日本の繊維産業の要として稼働し、昭和49年に観光施設アイビースクエアとして再生されました。
赤レンガをおおうツタは夏は涼しく冬は暖かい、当時の工場内部の温度調節のために大原孫三郎のアイデアで植えられた緑のカーテンだったそうです。
4. 倉敷民芸館、日本郷土玩具館
江戸時代の米蔵だった倉敷民藝館には、国内だけでなく世界中の陶磁器や漆器、ガラス、織物などの何千点もの民芸品が展示されています。
このあたりの古い町並みに感動した初代館長さんが地元の人達を説得したことが、伝統的建造物保存のきっかけとなったそうです。
隣には、同じく米蔵を改装した日本郷土玩具館があります。
全国の郷土玩具や工芸品などが展示されていて、懐かしい玩具に時を忘れてしまいます。
オシャレなショップやカフェも併設されています。
5. 日本のジーンズ発祥の地
倉敷市の中心部から少し離れた児島地区はジーンズの聖地と言われます。
織りや染め、縫製、加工のプロが揃う土壌から、五十年ほど前に初の国産ジーンズが誕生しました。
児島ジーンズストリートには、30店ものジーンズショップが連なり、オリジナルからビンテージ、シワ加工などさまざまな品物が揃っています。
ほかにも、生地を使ったトートバッグや財布、小物など自分だけの思い出のものを探すのも楽しみです。
街全体がジーンズ仕様で、バスやタクシー、JRの駅、レストランなどもインディゴ染めで統一されていてとても面白いところです。
6. 倉敷グルメとお土産
隣にごはん(まんま)を借りに行くほどおいしいことから名付けられたという、ままかりの酢漬けはお酒のつまみにも、ごはんのお供にも最適です。
お祝いやお祭りに採れたての魚や野菜をのせて作る、祭りずしが有名です。
倉敷駅や岡山駅で駅弁として販売しています。
また毎週土曜日に倉敷美観地区近くで開催される路地裏市は、新鮮な農産物や果物、瀬戸内海の魚介類、パン、惣菜など、地元の素材を生かした商品が観光客にも人気です。
このほかに、誰もが知っている桃太郎にちなんだ「きびたんご」は、日本一のパッケージも可愛くお土産に手頃です。
高級果物のジャイアントマスカットや宝石のような白桃も、ぜひ味わってみてはいかがでしょう。
徒歩で倉敷市美観地区を散策してみよう
大原家ゆかりのお屋敷や有隣荘、町並みの意匠や瓦紋、鶴形山など、一日ではまわりきれないほどの歴史や文化の魅力あふれる倉敷です。
どこから観てまわっても、遊歩道や町並みがよく整備されているので各エリアへは徒歩での散策をオススメします。
一年を通じておだやかな風土に恵まれた、そんな町に住む人々と気軽にふれあえるのも魅力のひとつです。