鳥取砂丘 砂の美術館は儚い砂像に特化した世界で唯一のユニークな美術館!

最終更新日:2017年11月7日

美術作品は紙や布・木・石・金属などいろいろな素材を使って表現しますが、砂を素材とする砂像は崩れやすいだけに制作の難しさがあります。

鳥取砂丘 砂の美術館はそんな砂像に特化した世界で唯一のユニークな美術館です。

1.期間限定で見られる砂の芸術

鳥取県鳥取市には南北2.4km東西16kmにも及ぶ有名な鳥取砂丘が広がっており、日本でありながら砂漠のような風景が見られる場所として人気の観光スポットとなっています。

そんな鳥取砂丘の近くで2006年から定期的に開催されてきた砂の彫刻展示イベントが2012年より屋内展示をメインとするようになり、砂の美術館として開館しました。

それまでは野外や仮設テントを使って砂像が展示されてきましたが、屋内に展示することによって風化の影響を受けにくくなったのです。

この鳥取砂丘 砂の美術館は砂像彫刻家の茶圓勝彦氏がプロデュースしており、世界から著名な砂像彫刻家を招いて作品が制作されきました。

毎年異なる展示テーマが設定され、テーマの世界観を表現する多彩な作品がメインゲートをくぐった先の展示エリアで展示されています。

2.世界でも唯一の砂像専用展示室

世界でも唯一と言われるユニークな砂像専門の美術館だけに、鳥取砂丘 砂の美術館の展示作品には常設展示という概念がありません。

美術作品の素材として砂は最も脆く崩れやすい性質を持っているため、どれだけ精巧に作られた砂像作品でも長い年月にわたってその形状を維持することができません。

同様の概念は展示が終わると撤去されて再現するのが難しくなる現代アートのインスタレーション作品にも通じる面があります。

類似のサンドクラフトやサンドアートは全国の海水浴場などのイベントでも制作されていますが、それらは基本的に野外で展示される作品です。

当然のことながらそれらの作品は雨や風を受けると崩壊してしまうのに比べ、鳥取砂丘 砂の美術館では砂像作品を保護するために屋内展示室まで建設した点で徹底しています。

世界から招かれる砂像アーティストたちも、天候を心配することなく作品制作に集中できるようになったのです。

3.年ごとに異なる展示作品

砂と水を材料とする砂像はスコップやヘラなど彫るための道具さえ用意すれば誰でも作れますが、鳥取砂丘 砂の美術館に展示されている砂像作品はスケールや細部の表現力が違います。

世界の一流砂像アーティストが互いに腕を競いながら制作した作品の数々は、砂だけでできているとは信じ難いほどリアルで細部まで精細な細工が施されているのです。

2009年開催の第3期以降は「砂で世界旅行」と題して世界の国々や地域がテーマに選ばれており、有名な世界遺産や歴史・自然などが砂を使って表現されてきました。

毎年定期的に砂の美術館を訪れる熱心なファンも多いほど、年ごとに異なる趣向の展示作品を鑑賞できる点が大きな魅力です。

2016年4月から2017年1月にかけて開催された第9期では「砂で世界旅行・南米編」のテーマで、《空中都市マチュピチュ》や《インカ帝国》・《伝説の黄金郷エルドラド》といった作品が展示されました。

4.砂像彫刻家・茶圓勝彦氏がプロデュース

鳥取砂丘 砂の美術館をプロデュースした茶圓勝彦氏は、日本でただ1人と言われるプロの砂像彫刻家です。

日本で最も古い歴史を持つ砂のイベント「吹上浜砂の祭典」の第1回大会で、地元の鹿児島県南さつま市から参加した茶圓勝彦氏は砂像彫刻家の第一人者ゲリー・カーク氏から才能を見出されました。

現在は世界で砂像制作の活動を展開している茶圓勝彦氏は、砂像彫刻世界選手権大会での優勝経験を持つほど国際的に高く評価されている砂像アーティストです。

鳥取砂丘 砂の美術館でも茶圓勝彦氏の制作した砂像作品が毎年公開されており、来館者の人気を集めています。

欧米の砂像作家による作品が大半を占める中、砂の美術館は日本が誇る茶圓勝彦氏の制作した作品が半年以上にもわたって見られる貴重な場でもあります。

5.鳥取砂丘観光も楽しめる

砂の美術館は鳥取砂丘に隣接した立地となっているため、展示室で砂像作品を鑑賞した後には砂丘観光を楽しむこともできます。

国の天然記念物にも指定された鳥取砂丘は風紋や砂簾・砂柱など、大自然が作り出した芸術とも言える美しい風景が見られる人気の観光スポットです。

40mにも達する「大すりばち」や地下水の湧出する「オアシス」、馬の背と呼ばれる第2砂丘列などの風景が観光客の目を楽しませてきました。

ここが日本だとは信じ難いほど砂漠に似た雄大な景色を眺めながら歩く楽しみに加え、ラクダに乗る体験ができる点でも鳥取砂丘は人気を集めています。

鳥取砂丘駐車場は有料ですが、30台ほどが収容できる砂の美術館駐車場は無料で利用できます。

鳥取自動車道鳥取ICから砂の美術館までは車で20分ほど、路線バスを利用して訪れる場合の所要時間もJR鳥取駅から鳥取砂丘まで約20分です。

その儚さが魅力の砂の美術館

一定の展示期間が終了したら壊されて砂に環ってしまう砂の芸術作品は、その儚さという点でも見る人を引きつけてやみません。

どれほど精巧に彫られた砂像作品でも、永遠にその形をとどめることができません。

今しか見られない砂像作品が多数展示される砂の美術館は、アートに関心がなかった人さえも魅了される場所です。