コンビニおにぎりの具に含まれる添加物の健康リスク

最終更新日:2017年11月1日

米を主食とする日本人にとって、おにぎりは最も手軽に食事が済ませられる食品として親しまれています。

近くのコンビニでも100円前後という安い値段で買えるおにぎりは人気商品ですが、含まれる添加物には注意が必要です。

1.冷めてもおいしい秘密

自分で握るおにぎりと比べた場合に、コンビニで売られているおにぎりは日持ちがするという点が最大の特徴として挙げられます。

自分で作ったおにぎりはすぐに硬くなり、その日のうちに食べてしまわないと食中毒の危険があるものです。

その点でコンビニのおにぎりは製造から時間が経っていても硬くならず、消費期限も2日程度に設定されています。

さらにコンビニおにぎりは冷めていてもおいしいという特徴があって、自分で作るおにぎりとは違った製造上の秘密が隠されていると容易に想像できます。

手作りのおにぎりと比較した場合、一番の違いはコンビニおにぎりに多くの添加物が使われているという点です。

それらの添加物は国の安全基準を満たした物質ですので健康への影響はなさそうにも思われがちですが、中には注意を要する添加物もあります。

2.使われている添加物の種類

コンビニおにぎりに使われている添加物の種類は、当然のことながら商品や店によって違いがあります。

おにぎりの具によっても使われる添加物は違ってきますが、大半のコンビニおにぎりに共通する添加物も見られるものです。

「調味料(アミノ酸等)」と表記される合成調味料やph調整剤などは代表的な添加物の例で、この他にも増粘剤または増粘多糖類やグリシン・トレハロース・酸化防止剤などがよく使われます。

いろいろな食品で甘味料としても使われているソルビットは、コンビニのおにぎりの保湿性を高めてぱさつかないようにする増粘剤としての役割を果たしている成分です。

ソルビットは大量に摂取すると下痢を起こしやすくなるとは言え、食品添加物として含まれる程度の量なら安全性に問題はないと言われています。

その他の添加物もよほど大量に摂取しない限り直ちに健康への悪影響が出る恐れはありませんが、たらこや明太子のおにぎりは注意が必要です。

3.具に含まれる危険な添加物

おにぎりの具材として使われる場合に限らず、たらこや明太子は色を良くする目的で発色剤という添加物が使われている例が少なくありません。

着色料が使用されていない「無着色」のたらこや明太子であっても、キレイなピンク色をしている場合は発色剤が使われている可能性が高いものです。

亜硝酸ナトリウムという物質がたらこ・明太子等の魚卵加工品やハム・ソーセージなどの食肉加工品に発色剤としてよく使用されます。

それらの食品は時間が経つと黒ずんでしまいますが、発色剤を添加することで長時間キレイな赤い色を保つことができるようになります。

この亜硝酸ナトリウムはアミンと呼ばれる物質と反応すると、ニトロソアミンという発がん物質が生じることが知られています。

コンビニのおにぎりでもたらこや明太子を具に使った商品にはこの亜硝酸ナトリウムが含まれている場合がありますので、原材料名のチェックが欠かせません。

4.うま味や日持ちを良くする添加物の働き

たらこ・明太子以外のおにぎりに含まれる添加物に関しては、亜硝酸ナトリウムほどの高い健康リスクはないと考えられます。

おにぎりのうま味を向上させる目的でグルタミン酸ナトリウムなどの合成調味料がよく使われますが、この成分はよほど大量に摂取しない限り健康への悪影響が及ぶ可能性は低いものです。

ph調整剤は菌の繁殖を抑制する効果もあり、おにぎりの腐敗を防いで消費期限を伸ばす役割を果たしてます。

グリシンはたんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、おにぎりに使われる米のうま味を高めると同時に日持ちを良くする効果も与えてくれる物質です。

コンビニおにぎりの日持ちを良くして硬くならないようにしている添加物の1つとして、増粘剤とともにトレハロースも挙げられます。

天然由来のトレハロースは甘味料としても使われており、安全性に問題はないとされています。

5.添加物のリスクを計算に入れる

前述のたらこ・明太子おにぎりに含まれている可能性のある発色剤以外にも、例えば昆布のおにぎりなどで発がん性の疑いがあるカラメル色素が使われている場合は注意が必要です。

安全性にそれほど問題がないとされる合成調味料やph調整剤・増粘剤などの添加物も、複数が組み合わされたおにぎりを毎日のように食べ続けた場合の影響までは確かめられているわけではありません。

自分で作るおにぎりと違ってコンビニのおにぎりには以上のような添加物が多く含まれている点を考慮すると、あまり頻繁に食べるのは避けるのが無難です。

特に具材によって異なる添加物を原材料名表示でチェックする習慣を身につければ、それだけ健康リスクを低くすることができます。

コンビニでおにぎりを購入する際には、できるだけ添加物の少ない品を選ぶようにするといいでしょう。

便利なコンビニおにぎりとの付き合い方を考えよう

最近ではシニア世代の間でもコンビニをよく利用する人が増えています。

昼食を手軽に済ませたい場合や小腹がすいたときの軽食などに、買ってすぐに食べられるコンビニのおにぎりは便利なものです。

そうした便利さの陰に添加物のリスクも潜んでいる点を頭に入れながら、コンビニおにぎりを選ぶ目がシニアにも求められています。