ドクダミ茶のドクダミは漢方の生薬にも利用される薬草!利尿作用によるデトックス効果がある

最終更新日:2017年11月20日

家の周りにもよく見られるドクダミは、漢方の生薬にも使われるほど優れた薬用効果を持つ身近な雑草です。

乾燥させたドクダミを煎じて飲むドクダミ茶には、利用作用やデトックス効果などさまざまな効能があります。

1.漢方の生薬にも利用される薬草

ハート型の葉が特徴のドクダミは日本全国に見られる多年草で、住宅地や道端などの半日陰を好んで繁殖する性質を持ちます。

5月から6月にかけての初夏に白い花を咲かせることでも知られるドクダミは、毒を抑える効能を持つことからこの名で呼ばれるようになりました。

実際にドクダミは昔から十薬または重薬として漢方の生薬に利用されており、解毒作用や利尿作用・殺菌作用に加えて皮膚病治療にも効果を発揮します。

地方によっては山菜として食べているところもありますが、ドクダミには独特の強い臭気があるため敬遠している人は少なくありません。

実はこの臭気成分が殺菌作用の元となっており、乾燥させた葉を煎じてハーブティーのように飲むことでドクダミの薬用成分が摂取できます。

家の周りからドクダミを採取すれば自分でドクダミ茶を作ることもできますが、商品化されたドクダミ茶を購入することでもその健康効果が得られます。

2.利尿作用によるデトックス効果

ドクダミにはカリウムやカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛といったミネラルが豊富に含まれているため、食事で不足しがちなそれらの成分をドクダミ茶で補うことができます。

中でもカリウムは利用作用を持つ塩化カリウムの形で存在し、血液中の余分なナトリウムを排出してくれる点でも注目される成分です。

ドクダミに含まれるフラボノイドの一種クェルシトリンという物資にも利尿作用があり、カリウム塩との相乗効果で体内からの毒素排出を促します。

特にシニア世代の人は身体にさまざまな老廃物が溜まりやすくなっていますので、ドクダミ茶の持つデトックス効果はアンチエイジングにもつながっていくのです。

クエルシトリンには便を柔らかくする作用もあるため、便秘解消や吹き出物の予防にも役立ちます。

3.高血圧や動脈硬化も予防

加齢のために高血圧や動脈硬化になりやすいシニア世代の人にとっては、ドクダミ茶の持つ血流改善効果も見逃せません。

前述の通りドクダミに多く含まれるカリウム塩には余分なナトリウムを排出する作用があるため、食事で塩分摂取が多い人は高血圧の予防効果が得られます。

血液中のナトリウム濃度が高くなると濃度を一定に保とうとして水分の吸収が進み、細胞外液の量が過剰になって結果的に血圧が高くなるものです。

動脈硬化が進んで血管の壁が厚くなることでも高血圧につながり、年齢が高い人ほど心筋梗塞や脳卒中といった生活習慣病を発症するリスクが高くなります。

ドクダミにはカリウム塩の他にも血圧を下げて動脈硬化を予防するクエルシトリンや、血小板の凝集作用を抑制して血液をさらさらにしてくれるイソクエルシトリンが含まれています。

これらの成分による相乗効果で血流が改善され、高血圧や動脈硬化・心臓病が予防されるのです。

4.高カリウム血症には注意

以上のようなデドックス効果や高血圧・動脈硬化の予防効果に加え、ドクダミには老化を抑制する物質も含まれています。

活性酸素や紫外線は細胞を老化させる代表的な原因ですが、AGEと呼ばれる終末糖化産物もそうした原因の1つです。

AGEはたんぱく質と糖が加熱されて結びつくことによって生じる物質で、食品から摂取される他に体内でも多く発生しています。

ドクダミに含まれるフラボノイドはこのAGEの発生を抑制する働きもしてくれるため、老廃物の排出促進効果と合わせて老化を遅らせる効能が得られるのです。

このようにドクダミ茶は数々の健康効果を持ちますが、カリウムが多く含まれるので飲みすぎると高カリウム血症を起こす可能性があります。

腎臓機能が低下している人はカリウム排出が追いつかない可能性がありますので、飲むのを控えた方がいいでしょう。

ドクダミ茶には便秘解消効果もありますが、体質が合わない人は下痢を起こしやすくなる点にも注意が必要です。

5.自分でドクダミ茶を作る方法

体質に合わせて毎日適量ずつ飲むことで多くの健康効果が得られるドクダミ茶は、ドラッグストアや通販サイトでもいろいろな商品が売られています。

そのままだと独特の臭いや苦味が気になるという人でも、はと麦や大麦・玄米など他の材料を加えて飲みやすく加工されている商品は少なくありません。

もちろん家の周りに生えているドクダミを摘んで乾燥させれば、自分でドクダミ茶を作ることもできます。

採取したドクダミは風通しの良い場所に1週間から10日ほど陰干しすることで水分が抜けます。

乾燥した葉と茎をハサミで切り、ホウロウ鍋に水と一緒に入れて弱火で20分ほど煮出しすればドクダミ茶の完成です。

その際には鉄製の鍋を使わず、煮出しする温度も60℃から70℃程度に抑えることで有用成分の破壊を防ぐことができます。

ドクダミは白い花が咲いている季節ほど有用成分が豊富ですので、その時期に乾燥させて密閉容器に乾燥剤とともに保存しておくといいでしょう。

風味を工夫してドクダミ茶を飲んでみよう

自分で作ったドクダミ茶の味が口に合わなかったという人は、飲みやすく工夫されている市販のドクダミ茶を試してみるのも1つの方法です。

自分で作った場合でもはと麦茶や麦茶を加えれば、少しでも飲みやすくなります。

アンチエイジングや高血圧・動脈硬化の予防に役立つドクダミ茶は、シニアにぴったりの健康飲料です。