アルコール中毒の原因と対処法、シニアは適量を楽しもう!【医療】

最終更新日:2017年8月28日

アルコールと上手に付き合うことができれば、楽しい毎日が送れます。
居酒屋へ行けば、その楽しさが理解できるのではないでしょうか。

飲むと性格が陽気になり、わいわいがやがや、周囲と盛り上がることができます。
また、酒は百薬の長とも呼ばれ、アルコールを適量飲むことは健康にも役立つとされています。

特に赤ワインは抗酸化作用のあるポリフェノールを含んでいるので、適量飲めば身体を錆びから守ることができます。
ただ、アルコールは適量を過ぎると、身体に悪影響を及ぼします。

代表的なのは、アルコール中毒と呼ばれる症状に陥ることです。

1.アルコール中毒とは

アルコール中毒とは、自分の意志で飲酒をやめることができず、周囲に迷惑をかけてしまう症状のことです。
以前は、単にお酒が大好きで大量に飲み、足腰が立たなくなって周囲に迷惑をかける人という認識でした。

しかし、アルコール依存症という病気が認知されるようになり、単にお酒が好きで飲んでいるわけではなく、自分の意志でやめられずに飲んでいると周知されるようになりました。
この病気になってしまうと、お酒を飲み過ぎて足腰が立たなくなるだけでなく、アルコールの影響で幻覚が見えて強迫観念に襲われてしまったり、家族に危害を加えるようになったりもします。

手が震えて文字が書けなくなり、一般的な社会生活を送れなくなる場合もあります。

それなら家族がお酒を与えなければ良いだろうと考えるかもしれませんが、アルコール中毒の方は外にも飲酒できる場を持っていて、そこに行けば店に対して「ツケ」で飲むことができたり、周囲から援助を受けて飲めたりしてしまいます。

よって、アルコール中毒の方が飲酒をやめるのは、大変困難な状況といって良いでしょう。
アルコール中毒になれば、楽しくお酒を飲むことができなくなりますから、周囲に迷惑をかけ、孫も寄りつかなくなってきます。

孫が寄りつかないどころか、誰も相手にしてくれなくなるでしょう。

2.アルコール中毒の治療について

アルコール中毒を改善する方法は、断酒しかありません。
お酒の量を控えれば良いという問題ではなく、お酒は一滴も飲まないという覚悟が必要になります。

ただ、アルコール中毒の方には、自分が依存症に陥っているという自覚がありません。
家族に散々迷惑をかけ、どん底を見ないと、立ち直ろうとしないと考えてください。

まさに、アルコール中毒の症状、そして改善の方法は、薬物中毒と同じです。
薬物中毒もどん底を見ないと、改善できないと聞きます。

そして、どん底を見て、自分で改善しようと考えるのですが、自分ではどうにもできないので、そこで初めて改善できる施設の門を叩くのです。
アルコール中毒の場合、改善できる場所は心療内科のある病院になります。

そこで心のケアを受け、場合によっては薬をもらって治療を受けます。
また、断酒会といったグループで活動することで、お酒を断つ方もいます。

アルコール中毒はお酒を飲まないということが治療になるのですが、まずはお酒を飲まなくても大丈夫な自分を自覚してもらうことが重要になります。

3.アルコール中毒患者の周囲にいる人のケアについて

アルコール中毒患者のいる家族のケアも忘れてはならないでしょう。
アルコール中毒患者に対し、アルコールを提供し続けていることが考えられるからです。

アルコール中毒患者は飲酒して暴力を振るったりするため、それならいっそ多量に飲ませて眠らせてしまった方が楽だと、お酒を家族が与えているケースがあります。
また、アルコール中毒患者はアルコールが体内から消失するとき、幻覚症状に襲われてより暴力的になることがあります。

それならお酒を与えて大人しくしていて欲しいと考える家族がいても不思議ではありません。
さらに、家族共依存になっている可能性もあります。

共依存とは、お互いに過剰に依存しあう関係のことです。
お酒を飲みたい人はお酒を与えてくれる人に依存し、お酒を与えている人はお酒を与えてくれる人に依存しています。

アルコール中毒の症状が改善できないのは分かっているけれど、お酒を与えると大変喜ばれるので、「自分は必要とされている」と依存してしまいます。

よって、アルコール中毒患者のいる家庭は、家族のメンタルケアのことも考えなければなりません。

アルコール中毒にならないために適度に楽しもう

飲酒は適量なら問題ありませんし、それこそ人間同士のコミュニケーションを深めたり、憂さを晴らすことができるため精神安定剤としても活用できるでしょう。
しかし、飲み過ぎて、そして飲酒がやめられないアルコール中毒になってしまうと、患者も周囲も不幸になってしまいます。

よって、飲酒の量は考えて、アルコール中毒にならないように注意しなければなりません。
もし、記憶を失くすほどに飲む場合がある、足腰が立たなくなるぐらいに飲む場合があるというのなら、その飲み方は大変危険だと考えてください。

家族に囲まれて幸せな人生を全うしたいのなら、お酒の量を考えて、楽しく飲むようにしましょう。