ほっこりした外観と心癒される優しい音色。
簡単に音を出すことができ、ひとりでもアンサンブルでもその魅力を十分に味わうことができるオカリナは、中高年を中心に人気の高い楽器です。
でも、いざ始めてみようと考えた時、意外と多くの種類のオカリナがあることに気づかされます。
どれを買ったらいいか迷う方も多いでしょう。
オカリナを初めて購入する際のポイントと注意点をまとめました。
1. どこで買う?
オカリナの購入場所としては、楽器店、工房、インターネットなどがあります。
できればお店に行き、実際に触れたり吹いたりしながら選ぶのが理想です。
オカリナの多くは手作り品なので、製作工程は同じでも1本1本異なる個性を持つからです。
お店に行ったら、販売スタッフに声をかけ、入門者向けの楽器をいくつか出してもらいましょう。
実際の感触や吹き心地、音色を確かめることができます。
お店によっては、試奏室もあります。
しかし、ブランドによっては、製作工房に直接行かないと購入できないものや、インターネットのみで店頭販売しないものなど、入手経路が限られているものもあります。
2. 選び方~大きさや形、重さによる違い
まず、全体の大きさです。
大きいと低い音域、小さいと高い音域を担当します。
大き過ぎても小さ過ぎても、吹くのにコツがいるので、まずは中庸な大きさのものから始めます。
基本の大きさはアルトC管です。
手が小さくてどうしても指が届かない、という場合は、アルトC管より一段階小さいソプラノF管でも良いでしょう。
同じアルトC管、あるいはソプラノF管でも、ブランドによって大きさや形状、重さが異なります。
平たいもの、丸みを帯びたもの、また、表面がツルツルしているものやザラザラしているものもあります。
この辺りは吹く人の感覚、相性なので、どれが良いとは一概には言えません。
また、軽過ぎて指を動かした時に安定しなかったり、重すぎて長時間の演奏が辛かったりと、重量についても違いがありますし、吹き口の厚みや幅でも吹き心地が異なります。
いずれにしても持ちやすい、構えやすいものを選ぶと良いでしょう。
直接試せない場合は「入門者向け」の表記を頼りに探します。
最初の1本でしたら、より多くの人に支持されているスタンダードな楽器を買うと間違いがないでしょう。
また、初心者の頃は手元がおぼつかないことが多いものです。
モデルによってはストラップ用の穴や金具が付いているものもあります。
落下が心配なら、ストラップを使用すると安心でしょう。
3. 選び方~素材と音色
次に素材です。
陶器や磁器といった素材が最も定番ですが、さらに土の種類やこね方、焼く温度などでも音の違いがあります。
一般的には柔らかい土を使ったり、焼く温度が低い場合は、優しく柔らかい音、硬い土を使ったり、焼く温度が高い場合は、引き締まった輪郭のある音色がすると言われています。
楽器ですから音色が良いと、吹いていて楽しいですし、続けていくモチベーションにもなります。
逆に音色がつまらないと、すぐに飽きてしまい、投げ出してしまうことになりかねません。
初心者だからわからないと思わずに、自分の理想の音が実現できそうな楽器を選ぶと良いでしょう。
陶器製、磁器製の楽器は、当たり前のことですが、落としたりぶつけたりすると割れたり、欠けたりします。
接着剤などを使って、割れや欠けを修正しようとする方もいらっしゃいますが、本来の機能が回復することはほぼありませんから、新しい楽器に買い換える必要があります。
また、樹脂製のものもあります。
樹脂製は軽く、丈夫で、水洗いもできます。
カラーバリエーションも豊富なので、お子さまにもオススメです。
陶器製や磁器製のものより安価な点も魅力と言えます。
持ち運びにも気を使いませんから、登山の時に持参し、頂上で吹く、という楽しみ方をしている方もいます。
音色はどちらかといえば画一的なので、表現の幅は広くはありません。
上達してきたら、樹脂以外の素材に挑戦すると良いでしょう。
4. 選び方~指穴の数や位置の違い
さらに指穴の数や位置です。
オカリナにはブランドやモデルによって、指穴の数や位置が何通りかあります。
個人で楽しむのであれば、ご自身が吹きやすいもの、穴を押さえやすいものを選ぶと良いでしょう。
レッスンに通ったり、サークルでの活動が想定される場合は、購入前にどれを選んだらいいか確認しておくと安心です。
ブランドや指穴のタイプを指定されることがあるからです。
5. まとめ
初めてオカリナを買う時のポイントとしては、
■大きさはアルトC管、素材は陶器や磁器など「焼き物」が定番。
■できれば実際に触れたり吹いてみたりして、相性の良いものを選ぶ。
■できれば音色が好みのものを選ぶ。
■レッスンやサークルでの活動が想定されるなら、どのような楽器がいいか確認する。
などが挙げられます。
まずは1本ご自身の楽器を手にして、始めてみましょう。
敷居が低いと思われがちなオカリナですが、続けていくにつれ、その奥深さと魅力に引き込まれていくこと間違いなしです。