直接株式を購入するのではなく、プロに運用を任せるのが投資信託です。
手軽に利用できることに加えて少額で始めることができるので、投資の初心者にとっては魅力ある金融商品と言えます。
退職金や老後資金を投資信託で運用する場合のメリットとデメリットを挙げていきます。
1.投資信託は少ない資金で始めることができる
まず投資信託のメリットとして、少ない資金で始められることが挙げられます。
個別株を購入するためには、少なくとも数万円の資金は必要になります。
けれども投資信託はわずか数千円から購入することができます。
一口いくらという形で基準価格が算出され、これは日々変動しています。
購入するタイミングによって高く購入したり安く購入できたりするわけです。
購入単価を有利にするために、時期を分散して買い増しをすることも可能です。
ただし売り出し口数が全て販売されると、それ以上は購入できないので他の投資信託を探すことになります。
投資信託は非常に多くの種類があるので、選ぶのに苦労するという課題もあります。
どのような基準で選ぶのかを定めることも必要です。
2.投資信託は様々なタイプの運用方法を選べる
投資信託はプロの投資家によって株式運用が行われています。
そのアプローチは色々とあり、積極的に利益を狙うものから、リスクを極力軽減させるように運用するものなどがあります。
中には下げ相場で利益を生み出すものまであるために、色んな種類のものを織り込んで購入することが可能となります。
その結果、株式相場が急変しても大きなダメージを受けずに済むこともありますし、大きな上げ相場で利益を膨らますことも可能となります。
自分では運用できない分、プロの運用に任せる形で戦略を立てることも可能となります。
運用成績を見て組合せを変えることも自由なので、利回りによって解約したり購入するといったことが自由に行えます。
3.投資信託は個人では購入できないものに投資できる
国によっては、個人では直接投資できないようなところもあります。
発展途上国のように魅力あるところに、投資信託を利用することで投資することも可能です。
株式だけではなく債権や株価指数などに分散投資するファンドもあるので、リスクも分散させて投資できるのもメリットとなります。
国によっては大きな利回りが期待できるところもあるので、いくつかの投資信託の中に1つ組み込むといった利用方法もあります。
積極的に利益を追求したい場合には、このような発展途上国への投資も必要になります。
その分リスクも増えることには注意が必要です。
4.手数料が高いのが投資信託のネック
投資信託は運用を任せるので、手数料が高いのがネックと言えます。
手数料としては、まず販売買付手数料があります。
購入者に変わって金融商品を選び、購入する手数料というわけです。
さらにファンドの管理費用や信託財産留保額といったものがあります。
これは途中で換金するためにかかる費用ですが、購入したり売却する上ではこのような多くの費用が発生するので、利益率は低下していきます。
そのためにある程度の値上がりが見込めなければ元本割れとなることにもなります。
投資信託はリスクが低いとされますが、この手数料分は値上がりが期待できなければ意味がないというわけです。
もちろん、運用がうまくいかずに基準価額が購入時よりも低くなるケースもあります。
5.分配金により投資信託はの基準価額が下がる
投資信託には分配金が支払われるものがありますが、その際には基準価額が下がることになります。
これは運用によって生じた利益を投資家に分配することで、再投資しないことを意味します。
ファンド自体の運用資金が少なくなることで収益率の低下もありうるということです。
もちろん株式相場の状況によっては、必ずしも基準価額は下がるとは限りません。
このような形で分配金を得ることができれば、定期的に利益を受け取ることができるのでメリットになると言えます。
もちろん分配金が支払われずに再投資に使う投資信託もあります。
どちらを選ぶかは投資家の好みにもよるので、好きな方を選ぶことができます。
6.どのようなタイプの投資信託を選べば良いのか勉強が必要
投資信託には色んなタイプがあることが分かりますが、結局どれを選べば良いのかを判断するためには勉強が必要です。
経済状況によってはリスク回避を優先すべき時もありますし、あるいは積極的に利益を求めることが有利なこともあります。
あるいは株式に投資すれば良いのか、債権の方が有利なのかといった判断も必要になります。
手軽に始めることはできますが、初心者でもしっかりと経済に関する勉強は必要というわけです。
その上でどの投資信託を購入すれば良いのかを判断しなければ、損失を増やすことにもつながります。
リスク分散も良いのですが、無暗に購入すると損失だけを膨らませることにもなりかねません。
その点を理解する必要があります。
少額から低リスクで運営できる、投資信託を始めてみよう
このように投資信託には様々なメリットとデメリットがあります。
少額で購入できることや複数の投資信託にリスクを分散できるのが特徴となります。
けれども経済状況に応じて選ぶべき投資信託は変わります。
そのための勉強は絶えず行うことが大切です。