国民年金加入者が利用できる免除制度で保険料を払わなくても年金がもらえる!

最終更新日:2018年1月5日

国民年金保険料、支払っていますか?厚生労働省によると、2016年の納付率は65.0%、約4割は払っていないという計算になります。

そんな中、納付を行っていなくても将来年金がもらえることはご存知ですか?この記事では、その方法について紹介していきます。

1. 対象となる人は?

日本には「国民皆年金」といって、日本国内在住の20歳以上60歳未満の人は皆さん年金制度に加入しなければならないという法律があります。

そのため、20歳の誕生日を迎えると原則として全員国民年金に加入し、年金手帳が送られてきます。

国民年金の加入者のことを「被保険者」と言いますが、この被保険者には3種類のタイプがあります。

会社員や公務員などの雇用されている人は「第2号被保険者」、その妻は「第3号被保険者」、それ以外の自営業や無職の人たちは「第1号被保険者」と呼ばれています。

保険料を払わずに年金がもらえる方法は、この「第1号」の人たちが使えるワザになります。

2. 国民年金納付は義務?

第1号被保険者は、月々16490円の国民年金保険料を支払わなくてはいけません。

年間では20万円弱もかかります。

日々の暮らしだけでも大変なのに、将来もらえるかわからないものにお金を払いたくない、という人も多いかと思います。

しかし、国民年金を納めることは国民の義務であると法律で決まっています。

払いたくないからといって未払いのままにしていると、財産を差し押さえられ、強制的に徴収される可能性もあります。

それでは本末転倒ですよね。

そんな人にオススメしたいのが、国民年金の「免除制度」です。

3. 免除制度を利用するメリット

免除制度は、収入の減少や失業などで国民年金を払うことが難しい人に対して、最大で全額免除がされる制度です。

この制度の良いところは、金額の免除がされている期間も「受給資格期間」として数えられる点です。

年金を受け取るには、一定の期間以上納付をしている必要があり、それを受給資格期間と呼んでいます。

以前は25年以上その期間がないと年金は受け取れませんでしたが、平成29年の8月からは、受給資格期間が10年以上あれば年金がもらえるようになりました。

年金の免除を受けている間も期間の加算はされるので、何もせずに未納を続けるよりは免除制度を利用した方がいいでしょう。

4. 免除制度でもらえる年金額

将来もらえる年金額は、全額免除を受けていた期間に関しては、満額支払った人の半額が受給されます。

免除を受けている人と受けていない人とでは、どちらも保険料を払っていないにもかかわらず、天と地ほどの差があります。

また、全額免除以外にも3/4免除、半額免除、1/4免除の制度があり、こちらも受給資格期間としてカウントされます。

将来の年金額はそれぞれ満額の7/8、3/4(6/8)、5/8の額を受け取ることができます。

具体的な金額に関しては、年金事務所ですぐに調べてもらうことができますし、日本年金機構の公式ホームページにも見込み額を簡単に計算できるページがあります。

5. まだある、免除制度のメリット

年金の支払い免除を受けることは、他にもメリットがあります。

期間中に病気やケガなどにより障害者になった場合、障害年金がもらえます。

支給額は障害の等級により変動しますが、これは国民年金保険料が未納ですと、受けられません。

さらに、不慮の事故により死亡してしまった場合遺族年金という制度があり、残された遺族がお金を受け取ることができます。

もしものときに備えて生命保険に入っている方は多いと思いますが、実は国民年金にもいざというときの保障制度があります。

この恩恵を受けるためにも、年金の支払いを無視することはやめた方が良いと言えます。

6. 免除の申請方法

免除の手続きは、全国各地になる年金事務所でできますので、まずは相談をしてみるのが良いでしょう。

年金事務所は未納者に対しては差し押さえを行うなど厳しい態度をとりますが、払う意思はあるけれどお金がない人に対しては、その人の経済状況に応じた方法を提案してくれるはずです。

低姿勢で相談し、免除をしてもらえるよう交渉してみましょう。

年金事務所に行く際は、年金の履歴をすぐに調べてもらえるように年金番号がわかるもの(年金手帳やねんきん定期便)を持っていきましょう。

また、免除が決まった際すぐに手続きがとれるよう、念のため印鑑も持っていくのが良いでしょう。

国民年金の免除制度をうまく利用しよう

国民年金保険料は、免除制度を利用すればお金を払っていなくても将来年金受給ができます。

全額納付している人よりは少ないですが、手続きをせず何ももらえないよりは、賢い選択です。

こういった公的な手続きは、得するためには自分からアクションを起こす必要があります。

まずは相談に行くことから始めてみてはいかがでしょうか?